29.役員保険の生命保険料をできるだけ有利に払う方法
会社で役員全員に、死亡保障と退職金準備の為、保険料を月払い払っているような場合、月払いより年払いの方が当然保険料を安くすることが出来ます。
わずか1、2%の違いでも、現在は銀行預金の金利が0.00といった単位ですから、けっこう保険料の年払いは、メリットがあります。ここではそれ以外に、保険料をできるだけ押さえる特別な方法をご紹介します。
役員の退職金プランとして、長期定期保険等を利用されるのは、非常にメリットがあります。特に役員の年齢が若い場合(50歳未満)や、タバコを吸わない方であると、解約時の返戻率が大変高くなり、死亡保障と退職金準備の両方のバランスがよくなります。ここで考えたいのは、50歳以上の方の保険プランです。残された時間的があまりない場合、つまり勇退まで5年くらいしかないといった場合、これを長期定期保険で設定しても、効果が発揮できません。このような場合は、逓増定期保険の全損型、半損型を退職年次にあわせて、解約返戻率がピークになるよう設計する必要があります。各保険会社でシミュレーションをする場合でも、いろいろなパターンがあり、最高のパフォーマンスを見つけるにはおそらく100通り以上もの商品比較が必要になると思われます。
このように、役員保険の保険料が最も安くまた、返戻率が最も高い、最適な保険商品を見つけ出すのは、けっこう時間と労力が必要になります。その際最もネックになるのは、そのような最適なプランを誰が見つけ出すことができるのかということです。各保険会社の営業マンに出させるということになると、10社以上の保険会社にオーダーすることになりますし、それを一同に集めて比較検討するということになってしまいます。それこそ、会社の役員や人事担当者がそもそも、そんな作業をやりこなすことができるかどうか、ということが問題になることでしょう。できれば最適なプランを選ぶことのできる、総合的な保険乗合代理店に依頼するのが最も早道です。
ともあれ、即効性のある方法として、現在挿入している役員保険の保険料を単純に安くする手段をお教えしましょう。 それは、集金事務費3%と団体保険料率を活用することです。契約者または被保険者の名寄せ後の人数が10名以上であれば、集金事務費として保険会社から保険料総額の3%が事務手数料として戻されます。また、その数が20人以上であれば、「団体料率A」となって保険料そのもののディスカウントがなされます。(ただし、保険会社によっては団体料率が安くない場合もありますので、事前にチェックして下さい)つまり役員だけで保険を導入しているわけですので、社員(合計で20名以上になるように)にも、最低でもいいですから、例えば保険金額300万円の10年更新型定期保険をかけるのです。この場合の保険料は大変低額でできると思います。その結果、被保険者数が20人以上になりますので、全体の契約が団体料率適用になります。と同時に保険料の3%が事務手数料として戻されるので、効果絶大です。
できれば社員の保険も、養老保険や長期定期保険で貯蓄性の高いものにすれば、会社全体で、生命保険活用型の退職金の引当プランとなります。社員対象に法人で保険をかけない場合、その役員保険を取り扱っている保険会社の医療保険やガン保険を、社員さんに個人契約で加入してもらい、契約件数を20件にする手があります。(強制してはまずいですが)
この方法は、役員保険の保険料が相当な額になっている企業にとって、保険料の引下げ効果が絶大です。当然、被保険者が20名以上という制約がありますので、事業規模の小さい会社には不向きです。