31.生命保険で資産運用する場合のプラン
金利が限りなくゼロに近い状況で、なかなか資金運用も難しくなっています。
生命保険でも、なにか運用ができる方法がないだろうか、という時のプランが以下のようなものです。
資金運用というと、収益性・安全性・換金性といった観点から、銀行・証券の商品を中心に選択するケースが多いと思いますが、今日、確定利回りで、大きなリターンを見込めるものを見つけ出すのは至難ではないかと思われます。公定歩合が今後上がるような状況にならない限り、このような事態は変わらないでしょう
しかしながら、保険商品には、市中金利と即連動しないものがあり、なかなか面白いプランが可能になります。それはいわゆる貯蓄性の商品、一時払いや全期前納が可能な保険商品(養老保険、終身保険、逓増定期保険)といったものになりますが、現在のように予定金利がかくも低い状況では、なかなか魅力のある運用プランはあまりありません。ということで、ほとんどの保険会社が貯蓄性の高いプランは「売り止め」にしてしまいました。
現在運用としてもとしても魅力のある商品は、長期平準定期保険の短期払いです。 ある外資系で40歳男性のケースを見てみましょう。10年払い込みの長期定期保険の場合の解約返戻率は下記の通りです。2年目99.5%4年目100.4% 6年目101.7% 8年目103.3% 10年目105.3%15年目112.5% 20年目119.9% 後ろに行くほど、当然利回りは良くなりますが、短期ではあまり魅力を感じないかもしれません。しかしながら、現在の予定利率では保険で運用した場合の運用はせいぜいこの程度になってしまいます。
確かに10年平均で単利ベース0.5%弱というのは、決してハイリターンではありませんが、解約返戻金は1円まで確定であるということと、いつでも会社は任意にこの保険を解約することができるということ、運用益については解約時まで収益を計上する必要がないこと、500万円といった保険金額でのスタートであれば、社員の福利厚生制度として導入がしやすくまたそのための健康診断等は不要で、告知で可能なこと、などなど大変導入しやすいものとなっています。
このようなことがおきるのは、金利についての考え方捉え方が、銀行と保険会社では異なるからです。あくまで保険会社の商品は保障として数理計算されていますので、単純な運用率だけで計算されないのが特徴です。なお保険会社によっては受け入れる額の制限もありますので、大口での資金運用は保険会社とプランが限られてくるものと思われます。
この他、運用に価すると思われるのは、一時払い終身保険や一時払い養老保険 ですが、予定利率が1.65%前後では、なかなか確定で大きな利回りを出すのは 至難です。会社のいろいろな状況を勘案しながら、最適なプランの設定が求めら れます。