
生活の状況が変わって借金が返せなくなった…。
2回目の債務整理ってできるのかな?
1回目の債務整理の後に何らかの事情で再度返済に困ってしまう人もいるでしょう。
債務整理の回数に制限はありませんが、条件によっては債務整理が難しくなったり厳しくなったりすることもあります。
この記事では、債務整理2回目の条件やより確実となるポイントを紹介します。
債務整理に回数制限はないが注意点も
債務整理に回数制限はないため、2回でも3回でも利用できます。
ただし2回目の債務整理には注意点やデメリットがあります。
2回目の債務整理の注意点
2回目の債務整理での注意点は以下の通りです。
・1回目より条件が厳しい
・手続きにかかる時間が長い
・信用情報に事故記録が残る
1回目の債務整理と同じ債権者の場合、業者としては損失を増やしたくないことから、より厳しい債務整理の条件を求められることがあります。
特に1回目の債務整理で決めた返済計画の通りに返済できない債務者に対しては、厳しい条件を求める可能性が高いです。
これらのことから、「損失を増やしたくない債権者」と「自分に見合った条件で債務整理を行いたい債務者」の話し合いはなかなか進みづらく、手続きに手間や時間がかかるケースが多いです。
さらに1回目の債務整理と同様に、クレジットカードの利用やローンを組めないままの状態が続きます。
2回目の債務整理をする条件
2回目の債務整理を行う際は、1回目の債務整理でどの手続きを行ったかにより利用できる手続きと利用が難しい手続きがあります。
1回目の債務整理の手続きごとに、それぞれどのような手続きが利用できるかを説明します。
1回目が任意整理のとき
1回目に任意整理をした場合、2回目は任意整理・個人再生・自己破産の全ての手続きが利用可能です。
それぞれのパターンを確認していきます。
任意整理→任意整理の場合
任意整理自体に回数制限はありませんが、1回目と同じ債権者を利用するか他社にお願いするかにより厳しさが変わります。
1回目と同じ債権者を利用する場合、債権者によっては債務者が提示する条件に納得してくれないことがあります。
そのため利息の負担が増えるなど、1回目より厳しい条件となるでしょう。
一方で2回目の債務整理とは別の債権者を利用する場合は、1回目の債務整理と同じように比較的スムーズな手続きができます。
任意整理→個人再生または自己破産の場合
1回目に任意整理を行った後に、個人再生または自己破産を行うことは可能です。
ただし個人再生と自己破産はいずれも裁判所に認めてもらう必要があるため、任意整理よりも手続きの手間が増えます。
また返済額について個人再生は最大で9割減額、自己破産は全額免除となり返済の問題解決となるメリットがある一方で、家族などに知られてしまうリスクや財産を手放すリスクがあります。
1回目が個人再生のとき
1回目に個人再生をした場合、2回目は任意整理・個人再生・自己破産の全ての手続きが利用可能です。
ただし1回目の個人再生での再生計画通りに借金を完済しているかしていないかにより、2回目の債務整理の条件が変わります。
それぞれのパターンを確認していきます。
完済しているとき
1回目の個人再生で完済している場合は、以下のいずれかの条件を満たすとき、2回目に任意整理・個人再生・自己破産の全てを選択肢にできます。
・住宅資金特別条項を利用していない
・住宅ローンを完済している
・前回の個人再生手続き(給与所得者等再生)または自己破産手続きまたはハードシップ免責を受けてから7年間経過している
住宅資金特別条項とは、返済中の住宅ローンに影響を与えず他の債権のみを減額する制度です。
完済していないとき
個人再生の返済が完了していない場合、状況によってはハードシップ免責による残債の免除を検討しましょう。
病気による長期入院、リストラによる失業など、予測不能なやむを得ない事情により再生計画通りに返済することが極めて困難な場合に、残債の支払義務免除を受けられる制度。
ただし返済金額の4分の3以上の返済を行っている必要があるなど、条件は非常に厳しくなっています。
ハードシップ免責以外にも、返済計画の見直しや自己破産への切り替えなどの手段もあります。
多くの場合、1回目の個人再生で完済できない人は返済の余裕がないため自己破産を選択します。
1回目が自己破産のとき
1回目が自己破産の場合、最後の手続きから7年間以上経過していなければ再度自己破産手続きをすることはできません。
そのため、自己破産手続きから7年以内の場合は、任意整理または個人再生のどちらかを検討しましょう。
2回目の債務整理がより確実になるポイント
2回目の債務整理をより確実にするためには、いくつかのポイントがあります。
それぞれ詳しく解説します。
生活環境などの状況が変わっている
病気による長期入院、リストラによる失業、結婚、離婚、出産など、1回目の債務整理とは状況が変わっている場合、やむを得ない事情として認めてもらえる可能性があります。
債務整理後に本人の意思とは関係なしに、環境の変化があったことによるものとして考慮されことがあるため、債権者や裁判所に伝えましょう。
借金返済のための努力を伝える
1回目の債務整理の後、借金返済のための努力や再度借金を抱えないための努力をしてきたことを伝えましょう。
具体例としては以下の内容です。
・家賃の安い家に引っ越す等、固定費の見直しをした
・給料の高い会社に転職等、所得を増やす努力をした
・家計簿をつけ、収支の見直しや節約をした
小さなことでも、返済のための努力を債権者や裁判所に伝えることは有効です。
弁護士や司法書士の力を借りる
どのような状況であっても、2回目の債務整理のハードルは非常に高いです。
2回目の債務整理で任意整理・個人再生・自己破産のどれを選択するべきかなどの判断は自力では難しいことも多いでしょう。
そのため、状況が悪化する前に、なるべく早く弁護士や司法書士の力を借りることをおすすめします。
弁護士や司法書士に相談することで、借金に対する悩みや今後の生活についてなど、最適な解決方法が見つかる可能性も高まります。
まとめ
債務整理には回数制限はありませんが、1回目に選択した手続き方法や返済の状況により条件が厳しくなる場合があります。
そのため、状況が悪化する前になるべく早く専門家に相談しましょう。