
最近話題になった「FIRE」が気になる。
どれくらいお金があればFIREできるの?
新型コロナウイルスの影響による働き方の変化により注目され始めた「FIRE」。
早期に会社を辞めて自由な生活を送ることができると話題になりました。
しかしFIREにはそのような良い面だけでなく注意するべき点もあります。
そこでこの記事では、FIREのメリットやデメリット、FIREの流れや必要な資金について紹介します。
FIREとは?
FIREとは英語の「Financial Independence, Retire Early」のそれぞれの単語の頭文字をとったものです。
日本語では「経済的自立と早期リタイア」という意味になります。
欧米発祥の考え方ですが、新型コロナウイルスの影響による働き方の変化により、日本でも注目されるようになっています。
FIREと聞くと早期リタイアをイメージする人も多いですが、下記のような違いがあります。
早期リタイア:貯金や退職金などの財産を切り崩しながら自由な生活を送る
FIRE:投資による収入(不労所得)で自由な生活を送る
働かずに自由な生活を送れる点ではどちらも共通していますが、早期リタイアは収入が無いため資産が減っていきます。
これに対し、FIREは投資などによる収入があるため、運用益が出ている間は資産を切り崩す必要がありません。
FIREのメリット・デメリット
多額の資産を準備する必要もなく、不労所得で生活を送るFIREは非常に魅力的ですが、FIREにはメリットだけでなくデメリットなど注意点も存在します。
どのようなメリットとデメリットがあるか確認しておきましょう。
FIREのメリット
FIREのメリットは、主に以下の3つがあります。
・自由な生活を送れる
・働かないという選択ができる
・お金に関する知識が身につく
FIREの最大のメリットは、会社員のように時間や場所に縛られることなく生活ができることです。
自由になった時間で趣味や家族のための時間にできるため、会社員生活ではできなかったことに時間を割けます。
さらに毎日働く必要がないため、働かないという選択ができるのはもちろんのこと、週1~2日でやりたかった仕事に挑戦することも可能です。
またFIREで生計を立てるためには、家計の収支を常に意識する必要があるため、お金の使い方などの知識が身につきやりくり上手となるでしょう。
FIREのデメリット
FIREのデメリットは、主に以下の3つがあります。
・不労所得による収益を維持できる保証がない
・急な出費への対応が難しくなる
・離職期間が長いほど再就職が難しくなる可能性がある
投資での不労所得によるFIREの場合、投資である以上リスクは0ではないため常に運用益が出る保証はありません。
また病気や事故など、予期せぬ大きな出費が発生する可能性もあります。
そのため万が一損失が出た場合や大きな出費が発生する場合に備え、生活を維持するための資産が必要となります。
これらのリスクがあることから、再度就職を考えた時のために、FIRE後のキャリアについても考える必要があります。
多くの場合、離職期間が長いと年齢や経験を理由に中途採用が難しくなるため、フルFIREでなくサイドFIREを目指すことやFIRE期間中にスキルを身に付けておくことを考えましょう。
FIREがおすすめな人
紹介したメリット・デメリットから、FIREがおすすめな人はこちらです。
・会社や働き方にとらわれず自由に生活したい人
・計画性やお金の知識がある人
働き方や場所、時間などの制約が多い会社員としての生活では実現できない夢や目標があるなど、自由な生活を実現したい人はFIREがおすすめです。
またFIREでの生活では、お金の使い方や収益に対する計画性や投資・資産運用などお金に関する知識も必要不可欠です。
そのため計画性やお金の知識がある人はFIREでの生活に向いているでしょう。
FIREするにはいくら必要?
FIREを実現するためには、年間支出の25倍の資産が必要であるといわれています。
年間支出が200万円では5,000万円、300万円では7,500万円となります。
ただしこれらの資産は生活資金として使用するために準備するものではありません。
4%ルールに基づいて、FIRE中の資産運用のための資金としての利用を前提としたお金となっています。
年間支出の25倍の資産を投資元本とし年利4%で運用することで、発生した運用益により生活費をまかなえるという考え方。
例えば、年間支出が200万円の場合FIREに必要な資産は5,000万円となり、これを投資元本として年利4%で運用することで年間200万円の運用益が出るため年間支出を賄えるということです。
年間支出が200万円の場合、月々の支出は約17万円です。
サイドFIREがおすすめ
年間支出が200万円でも資産が5,000万円必要となることから、FIREのハードルは高いことがわかります。
ここでFIREには、仕事を完全に辞めて不労所得で生活する「フルFIRE」と不労所得と会社からの収入により生活する「サイドFIRE」があります。
フルFIREでは年間支出が200万円の場合5,000万円の資産を準備する必要があります。
一方でサイドFIREでは、不労所得以外で年間120万円の副収入があれば必要な資産を2,000万円まで減らすことができます。
また不労所得での損失の発生や急な出費が発生した場合も、副収入があれば収入が0となるリスクを減らすことも可能です。
これらの理由から「サイドFIRE」をおすすめします。
FIRE達成までの流れ
FIREの達成までのステップは以下の流れとなります。
まずは家計簿をつけ自分の家計を見直し、収支を把握するところから始めましょう。
支出はどれくらいかだけでなく、節約できそうな出費はあるかを確認しておくことで、FIRE実現に向けての資産形成時に節約すべきところが明確になります。
毎月の収支を把握したら、年間支出額を計算します。
会社を退職後は、国民年金保険料や健康保険料など社会保険料も自分で支払う必要があるため、どれくらいの金額が必要になるか事前に確認しておきましょう。
また結婚や子育てに必要な資金を副収入で補うのか、資産運用で全てまかなうのかも計画することをおすすめします。
年間支出額の25倍が必要な資産額となります。
必要な資産額からフルFIREにするかサイドFIREにするのかや、サイドFIREではどれくらいを副収入で賄うかなどを決めましょう。
必要な資産額が決まったら、なるべく早く資産形成を始めましょう。
早くから資産形成を始めることでFIREまでにできる貯金額が増えるだけでなく、投資での資産運用では投資期間が長期になるほど複利の効果が大きくなるためです。
具体的な資産形成の方法は次の項目で紹介します。
FIREに向けての資産形成はどうやる?
FIREに向けての資産形成の方法は、主に以下の3つです。
・収入を増やす
・出費を減らして貯金額を増やす
・投資を始める
貯金額を増やす方法として、より収入の高い会社への転職や副業により収入を増やす方法や保険料や通信費などの固定費を見直すことで無駄を削る方法があげられます。
しかし貯金額を増やすだけでは、数千万円の資産を形成するまでに時間がかかります。
そこで早い段階から投資により資産運用を行うことで、複利の効果により効率よく資産形成ができます。
例えば毎月5万円を5年間つみたて投資する場合、貯金するだけなら約300万円となるところ、年利3%で運用しながらつみたてれば約320万円となります。
このようにただ貯金するだけでなく投資による資産運用を行うことで、FIREのための資産形成をより早く効率的に行えます。
まとめ
自由な生活を送れるFIREを実現するためには、年間支出の25倍の資金を事前に準備する必要があります。
一方でサイドFIREを選べば、準備すべき資金が減るだけでなく、副収入による収入0のリスク回避もできるためおすすめです。
資産形成では貯金だけでなく投資を行うことでより、効率的に資金を準備することが可能でしょう。
自分の生活水準と照らし合わせて、FIREに向けた準備を行いましょう。