「投資をしたいけど、どんな投資商品を選べばいいかわからない…。」
「初心者にはインデックスファンドがおすすめと聞くけどどんな商品か知りたい。」
インデックスファンドは人気の商品ですが、投資初心者の方やこれから投資を始めようとしている人の中で上記の悩みを抱えた人は多いのではないでしょうか。
本記事では、インデックスファンドについての基本情報から、インデックスファンドのおすすめ商品や投資をする際の注意点などをわかりやすく解説します。
投資初心者の方は、是非、本記事を参考にしてみてください。
インデックスファンドとは
インデックスファンドとは、市場の値動きを示す指数(インデックス)と同じ値動きをするように運用されている投資信託のことで「インデックス型投資信託」や「パッシブファンド」と呼ばれることもあります。
そのため、インデックスファンドは連動する株価指数が上昇すると値上がりをし、下降すると値下がりする仕組みとなっています。
代表的な市場の例としては、日本の市場でいうと「東証株価指数(TOPIX)」や「日経平均株価」といった、市場の値動きに連動するよう複数の銘柄を組み入れ、運用する商品があったりします。
もちろん、海外株式や国債、不動産(REIT)などと連動した商品もあります。
数ある投資商品の中でもインデックスファンドはコストが低く、幅広く分散投資できることから初心者におすすめな投資商品です。
インデックスファンド選びのチェックポイント5つ
- 投資対象
- コスト
- トラッキングエラー
- 純資産残高
- 信託期間
インデックスファンドはどのような基準で選ぶといいの?と疑問を持つ方もいると思います。
ここでは、インデックスファンドを選ぶ際のポイントについて解説していきます。
投資対象
インデックスファンドの主な投資対象には株式、債券、REIT、コモディティなど様々な種類があります。そして、インデックスファンドは投資対象となる指数で運用成果にも違いが出てきます。
まずは「株式、債券、不動産など」どの資産クラスや「日本、米国、欧州、アジアなど」どの地域に投資をするのかを理解した上で投資信託を選ぶことが重要です。
人気が高い投資対象の特徴についてまとめると、以下の通りです。
- 日本株式:情報量が多い
- 外国株式:長期に渡って株価が上昇傾向
- 債券:低リスク低リターン
初心者の方におすすめなのは、外国株式を対象としたインデックスファンドです。
外国株式であれば、情報量も多く、アメリカをはじめ世界の主要先進国に分散投資でき、市場規模も大きいので初心者でも比較的わかりやすいです。
コスト
インデックスファンドを購入する上で、コストの低さも重要なポイントとなってきます。
インデックスファンドを購入する際に発生する主なコストは「販売手数料」と「信託報酬」です。
販売手数料は、投資信託を購入する際にかかる手数料ですが、SBI証券や楽天証券など大手ネット証券会社では無料に設定されていることが多いです。
一方で、信託報酬は同じ指数に投資する商品でも商品によって手数料が異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
例えば、同じS&P500の動きに連動するファンドでも、信託報酬の年率は以下のように大きく変わってきます。
- SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド:0.0938%
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500):0.0968%
- iFree S&P500 インデックス:0.2475%
長期的に投資をするとコストの差が大きく開いていくので、ファンドしっかりを見比べた上で商品を選んでいきましょう。
また、日本の指数に連動した商品はコストが高いものが多いです。
トラッキングエラー
インデックスファンドは、必ず100%インデックスに連動するといったわけではありません。
株式の売買コストが発生することや信託報酬を差し引いたりするため、ファンドの運用成績が指数の動きから乖離することがあります。
この乖離度合いを示す尺度が「トラッキングエラー」と言います。
指数の動きとは完全に連動はしませんが、トラッキングエラーの数値が小さいほどインデックスに連動して優秀なファンドといえます。
アクティブファンドであれば、インデックスを上回る成果を目指すため気にする必要はありませんが、インデックスとの連動を目指したインデックスファンドは、トラッキングエラーが小さいファンドを選ぶようにしましょう。
トラッキングエラーが0の投資信託は存在しないので、目安としてはトラッキングエラーが0.2以下のものを選ぶとよいでしょう。
純資産残高
純資産総額とは、インデックスファンドが保有している株式など資産の時価の合計額のことです。簡単に言うとインデックスファンドの規模の大きさと言えます。
つまり、この純資産総額が大きい投資信託ほど、多くの投資家が購入しており人気のファンドと言えます。
数億円から大きいものでは数千億円といった投資信託もありますが、目安は30億円以上が望ましいでしょう。もし、純資産額が少なければ運用が十分に行えず、途中でストップしてしまうリスクもあります。
運用成績が良ければ純資産総額は増えていくので、純資産総額が過去から見たときに増えているかどうかしっかりをきちんと確認しましょう。
信託期間
投資初心者がファンドを選ぶ際に注意すべきポイントは、商品が販売されてからの信託期間です。
信託期間とは、投資信託の運用がスタートする「設定日」から、運用が終了する「償還日」までの期間のことを表します。
決算が1回でも行われれば、ファンドの成績・コストなどの全行動が記された「運用報告書」が見ることができます。しかし、決算に達していなければ情報源が不足してしまいます。
そのため、運用実績が見れないと運用をちゃんとしてくれるか分からないので過去の成績が把握できない商品は買うべきではないです。設定されてから3年未満であれば注意が必要です。
また、投資信託の大原則は長期で運用できることです。そのため、信託期間が短いことはリスクになりうるので信託期間は「無期限」の商品を選ぶようにしましょう。
残り日数が少ない投資信託に投資してしまうと、運用会社が適当に投資をしてしまう可能性もあります。
インデックスファンドのおすすめ商品5選
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
- 楽天・全米株式インデックス・ファンド
- ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
ここでは、投資初心者の方に向けておすすめのインデックスファンドを紹介していきます。
それぞれの商品の特性を確認していきましょう。
1.eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
投資対象 | S&P500 |
---|---|
信託報酬 | 0.0968%以内 |
純資産 | 11,384.26億円 |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信 |
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)はS&P500指数に連動するように運用される投資信託です。
三菱UFJ国際投信によって運用される「eMAXIS Slimシリーズ」の一つです。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)以外にも、S&P500連動した投資信託は存在しますが、各投資信託の中でもeMAXIS Slimが圧倒的な純資産額の規模を誇っています。
また、販売手数料は0円、信託報酬も0.0968%以内と非常に低い設定となっています。
手数料が安く、純資産額も大きいため、安全に投資したい初心者の方にとってeMAXIS Slim米国株式(S&P500)はおすすめの商品です。
2.eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
投資対象 | MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス |
---|---|
信託報酬 | 0.1144%以内 |
純資産 | 351,952百万円 |
運用会社 | 三菱UFJ国際投信株式会社 |
「eMAXIS Slimシリーズ」 は、三菱UFJ国際投信が運用するインデックスファンドシリーズです。
そのシリーズの中でも、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、先進国(日本を含む)や新興国の株式に投資できるインデックスファンドとなっています。
そのため、この商品一本で世界の約50ヶ国に国際分散投資ができることから、リスクが低く投資できます。
信託報酬も安いので、長期の資産形成に嬉しい低コストでの運用が可能でつみたてNISAの対象となっているので節税しながら資産運用することもできます。
また「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020」でも1位を獲得した実績もあるので信頼できるファンドです。
コストを抑えたい方やどの投資信託に投資すべきか悩んでいる方には、おすすめの商品だと言えます。
3.SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
投資対象 | S&P500 |
---|---|
信託報酬 | 0.0938%程度 |
純資産 | 399,449百万円 |
運用会社 | SBIアセットマネジメント |
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500指数に連動するように運用される投資信託です。
この商品を購入するだけで、アメリカの主要企業500社へ投資しているのと同等の効果が期待できます。
また、信託報酬も年0.0938%(税込)となっており、信託報酬が極めて低い銘柄なので、多くの投資家から高評価を得ています。S&P500への連動を目指す商品の中でも最安クラスの手数料と言えます。
S&P500は高いペースで成長が続いているため、米国株に投資したい方におすすめのインデックスファンドです。
4.楽天・全米株式インデックス・ファンド
投資対象 | バンガード・トータル・ストック・マーケットETF |
---|---|
信託報酬 | 0.162%程度 |
純資産 | 429,183百万円/td> |
運用会社 | 楽天投信投資顧問 |
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、楽天投信投資顧問が運用している投資信託です。
米国株式市場に上場する約4,000銘柄を網羅した指数に連動ファンドでSBI・バンガード・S&P500とは異なり、アメリカの中小企業を含めた銘柄に幅広く投資できるのが特徴的な商品です。
また、運用会社のバンガード社は、個人投資家向けインデックスファンドを世界で初めて提供し、現在では世界最大級の運用会社として知られており、投資家からの信頼も厚いです。
楽天VTIを購入することで、アメリカのほぼ全ての企業に投資ができ手数料もに安いので、コストパフォーマンスに優れたファンドと言えるでしょう。
5.ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)
投資対象 | 東証REIT指数 |
---|---|
信託報酬 | 0.792% |
純資産 | 4,437.46億円 |
運用会社 | 大和アセットマネジメント株式会社 |
ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)は、J-REIT(不動産投資信託)に関する投資信託で、東証REIT指数に連動するように運用を行います。
不動産から得られる収益を毎月分配していくのが特徴で、信託手数料は、 0.792%でREITの中では平均的な信託手数料となっています。
不動産投資は、数千万円から数億円単位の巨額の資金が必要で購入手続きなども複雑なため、個人投資家にはかなりハードルが高いです。
しかし、ダイワJ-REITオープン(毎月分配型)は、日本のほぼ全てのリートで構成されています。そのため、これ1本に投資することで、日本の不動産全体に投資することができると言えます。
株式や債権だけでなく、不動産にも幅広く投資したい方におすすめの商品です。
インデックスファンドの購入におすすめの証券会社3選
- SBI証券
- 松井証券
- 楽天証券
先ほど、おすすめのインデックスファンドについて紹介しました。
しかし、インデックスファンドを購入するためには、証券会社で口座開設をする必要があります。
ここでは、お気に入りの商品を買う際におすすめの証券会社を紹介していきます。
1.SBI証券
- 口座開設数業界No.1
- 取り扱い商品数がトップクラス
- 取引手数料が安い
まずおすすめしたい証券会社として、ネット証券業界の人気トップであるSBI証券です。SBI証券は720万口座数を誇り、ネット証券業界でトップクラスの利用者数です。
取扱商品の数も業界トップで、インデックスファンドの取扱銘柄数に関しては460本と圧倒的に多いです。そのため、自分の欲しい商品を見つけやすいでしょう。
取引手数料も業界屈指の安さです。証券会社選びに迷ったらSBI証券で口座を開設しておけば問題ないでしょう。
2.松井証券
- 情報提供ツールが充実
- ロボアドバイザー「投信工房」が使いやすい
- 無料コールセンターなどサービス・サポートが手厚い
松井証券は独自サービスが魅力のネット証券会社で、サポート体制では11年連続で最高評価を獲得している魅力的な証券会社です。
取引ツールなどを提供しているネット証券会社はありますが、松井証券は様々な種類のツールを提供していることが特徴です。
高機能な取引ツールを利用することで、銘柄分析や取引のタイミングを計る際に役立てることができます。
また、松井証券では、ロボアドバイザーの「投信工房」を提供しています。
最適なポートフォリオとやおすすめの商品を自動で提案してくれるので、自分で投資信託を探す手間が省くことができ手数料も無料なのが嬉しいポイントです。
サービスも手厚いことでも有名で、投資初心者の方にはおすすめの証券会社です。
3.楽天証券
- 投資信託の取扱い銘柄数が業界トップクラス
- ポイント投資ができる
- 他の楽天サービスと連携可能
楽天経済圏にお住まいの方や楽天ポイントをよく使用される方には楽天証券がおすすめです。
楽天証券は外国株の取扱いが少ないものの、投資信託などその他の取扱い商品については銘柄の豊富さが魅力的な証券会社です。
また、楽天ポイントを使ってさまざまな投資ができる点も大変魅力です。普段の買い物で貯めた楽天ポイントを使用して投資信託などに投資ができるので、楽天ポイントを有効的に活用できます。
気になる手数料もお手頃価格となっているので、楽天をよく利用する方やポイントを使って投資したい方はぜひ楽天証券で口座を開設しましょう。
インデックスファンドの注意点3つ
- 最近のリターンだけで飛びつかない
- 銀行で紹介されたら手数料を確認する
- CMで流行っていてもおすすめとは限らない
最後に、インデックスファンドを購入する際の注意点について紹介します。
投資で失敗しないためにも、注意点についてしっかり把握しておきましょう。
最近のリターンだけで飛びつかない
インデックスファンドをする上で、短期的な成績ではなく、根拠を持って選ぶことが大切です。
また、投資で大儲けを狙おうと考えている方もいると思いますが、インデックスファンドは個別株と比較すれば価格変動が小さいため、リターンを狙うにはインデックスファンドは向いていないです。
大きく値下がりするリスクは低い分、短期間で大きなリターンを得ることも難しいのです。
資産を短期間で増やしたい方は、アクティブファンドの方が向いていると思いますが、大きいリターンにはリスクも大きくなるので安全に投資をした初心者にはインデックスファンドがおすすめです。
銀行で紹介されたら手数料を確認する
現代は、超マイナス金利の時代のため銀行は本来の業務である融資業務等では収益がなかなか出せなくなっています。そのため、銀行は投資信託や保険を代理店として販売し販売手数料を稼ぐことで収益を拡大しようとしています。
こうした背景から、銀行の販売手数料は証券会社の手数料にさらに上乗せされた水準になっていることが多く、手数料が高いほど得られる運用益は減ってしまいます。
投資信託を銀行などの窓口で購入する際は、Yahooファイナンスでファンド(投信)の販売会社を見れば、販売会社別の手数料確認できるので手数料を多く取られないように確認しましょう。
CMで流行っていてもおすすめとは限らない
投資の目的によって、目標金額や目標金額を達成するための投資期限は異なってきます。そのため、インデックスファンドを選ぶときは「目標」にする指数を決めることが重要ポイントになります。
目標金額、達成期限によって、投資対象となる投資信託のリターン・リスクの大きさは異なってきくるので投資の目的はインデックスファンドの選び方に大きく影響してくると言えるでしょう。
最近は、投資のCMなどが流行っていますが、自身の投資の目的に合った商品を必ずしも紹介しているわけではないので気をつけましょう。
まとめ
インデックスファンドについての基本情報から、インデックスファンドのおすすめ商品や投資をする際の注意点などを解説してきました。
インデックスファンドは低コストで少額から投資できるため、投資初心者におすすめできる投資商品です。まずは、投資目的を明確にし、インデックスファンドでの資産形成も検討してみるといいでしょう。
まだ証券口座を持っていない方やどの商品を購入しようか悩んでいる方は、ぜひ本記事を参考にして最適な資産形成を行なってみてください。
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