株式投資を始めるにはまず証券会社で口座開設することが必要です。
ネット証券や対面型証券会社を選ぶだけではなく、手数料や銘柄、商品等が証券会社によって大きく異なるので、どこに注目して選べばいいのか初心者の方は悩むことが多いかもしれません。
今回の記事では初心者が証券会社を選ぶ際の5ステップを、おすすめも踏まえて解説していきます。証券口座を開設して投資を始めて行きたい方は、是非最後まで読んでみてください。
証券会社の選び方を5ステップで解説
ここでは証券会社をどのように選べばいいのかを5つの流れで解説していきます。
その人に合った証券会社は異なるので、この流れを読んで最適な証券会社を選ぶ際の参考にしてください。
ネット証券と対面型証券会社のどちらを利用するか決める
証券会社は大きく2つに分けると、対面型の総合証券会社とインターネット証券に分かれます。対面型の証券会社は、大和証券、野村証券等があり、ネット証券はSBI証券、楽天証券等が挙げられます。両証券会社の違いは以下の通りです。
- 実店舗の有無
- 顧客一人ずつに担当者がつくかつかないか
- 自己判断で投資をするか、コンサルティングを受けられるかどうか
ネット証券は全て自己判断で決めて投資をするため、手数料や口座管理費が対面型より安くなります。また実店舗を持たない点も安価な手数料を実現しているひとつの要因です。
投資の基本は手数料を抑えることです。初心者投資家はネット証券から始めることをおすすめします。
もし投資知識がない、担当者にいろいろ教えてもらいたいなどあれば対面型証券会社での口座開設をおすすめします。
どの金融商品で取引する予定なのか決めておく
金融商品の種類 | 内容 |
---|---|
個別株(日本株・米国株など) | 日本株や米国株など自分で銘柄を選ぶ。値上がりしそうな会社を選び、常に値動きをチェックして売買のタイミングを見計らう必要がある。 |
投資信託 | 「ファンド」とも呼ばれ、投資家から集めたお金を1つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や再建等に投資・運用する商品。 |
ETF | 証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託。 |
債券 | 国や企業等の発行体が、投資家から資金を借入るために発行する有価証券。満期が定められており、投資家は発行体にお金を貸す代わりに、満期となる償還日に利子を受け取れる。 |
FX | 「Foreign Exchange」の略で「外国為替証拠金取引」のこと。「日本円→米ドル」など、通貨を買ったり売ったりしたときに発生する差額によって利益をねらう取引。 |
ネット証券はインターネット経由で株式の売買注文ができる証券会社のことです。実店舗での対面販売に比べて取引手数料が安く、時間外や休日でも注文できます。
またネット証券では株式の他にも投資信託や債券などの金融商品も取り揃えています。自分にあった金融商品はどれか、確認してから条件にあった証券会社を探すとよいでしょう。
実際に取り揃えている金融商品には、銘柄の選定や売買など全て自分自身で決める個別株、専門家に商品などの選定を任せられる投資信託などがあります。
どの商品を取り扱っているかは証券会社によって異なるので、どの商品を運用したいか決めてから選びましょう。
自分の買いたい銘柄を取り扱っている会社をピックアップする
ネット証券で口座開設するときは、自分の買いたい銘柄を取り扱っている会社をピックアップしましょう。前項で紹介した金融商品の種類を確認するだけでなく、具体的なファンド名・個別銘柄まで確認しておくことが大切です。
例えば個別株の投資を検討している方は、具体的な企業名で検索をかけて、取扱があるか確認しておかなければなりません。投資信託の場合も同様に、ファンド名で検索をかけておくことが重要です。
どの金融商品の銘柄を取り扱っているかは証券会社によって異なります。有名な銘柄であれば、多くの証券会社に取扱があるため、注文システムの利便性やツールの使用感で決めてもよいでしょう。
ピックアップした証券会社から手数料が安い3社を選ぶ
証券会社のピックアップが完了したら、手数料が安い3社を選定します。手数料の安い証券会社を選ぶことは投資の基本です。よほどの理由がない限り、手数料の安さで選定することをおすすめします。
取引手数料は証券会社ごとに定められています。さらに取引金額ごとに手数料が変化するため、自分の取引量に合わせた手数料を確認してみてください。
1回あたりの金額はそこまで高額と感じなくても。回数を重ねると大きな額になります。手数料はなるべく安い方がいいので、ピックアップした証券会社から安い3社を選ぶことをおすすめします。
メインバンクやクレジットカードでお得な証券会社を選ぶ
一部の証券会社と銀行は、お互いに口座を連携させることで、サービスが向上したり手数料がお得になったりと、さまざまな特典を受けられます。そのため、メインバンクやクレジットカードの利用でお得になる証券会社を利用しましょう。
例えばSBI証券は三井住友カードNLで投資をすると購入金額に応じてポイント還元されたり、楽天証券は楽天市場でのポイント倍率がアップしたりします。さらに得たポイントを運用に回すことができる証券会社もあるため、よりお得に投資できます。
メインバンクやクレジットカードとの組み合わせでお得な証券会社に違いがあるので、普段使っている銀行やカードと相性がいい証券会社があれば、その会社を選ぶことをおすすめします。
ネット証券選びで注意したい3つのポイント
ネット証券を検討している方の中には「注意点を理解してから開設したい」という方もいらっしゃるでしょう。そこでここからは、ネット証券を選ぶ際の3つの注意点についてみていきます。
NISAや積み立てNISA、iDeCo、IPO株はすべての証券会社に割り当てられるわけではないので取り扱いがあるかも含めて選ぶ際の参考にしてください。
NISA・積立NISA・iDeCoが使えるかが証券会社によって違う
種類 | 内容 |
---|---|
NISA | 「NISA口座(非課税口座)」内で、毎年一定金額の範囲内で購入したこれらの金融商品から得られる利益が非課税になる、つまり、通常の投資ではかかる税金がかからなくなる制度。 |
積立NISA | 毎年40万円を上限として一定の投資信託が購入可能。各年に購入した投資信託を保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)が購入した年から数えて20年間、課税されない。 |
iDeCo | 加入者が自分で拠出し、積み立てた掛金を自己の裁量で運用する年金制度で、「個人型確定拠出年金」ともいう。掛金と運用益は60歳から年金または一時金として受け取ることができ、掛金は全額が所得控除の対象となる。 |
預金の利息や投資信託の利益(売却益・分配金)には、通常20.315%の税金がかかります。しかし、今後の人口減少社会の到来を前に、預貯金だけに偏りがちな日本人の資産形成を助ける制度がつくられました。それがNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)です。
NISAとは別に長期積立・分散投資に特化した「積立NISA」も用意されています。上記3つの投資は取扱のある証券会社のみ運用できます。またNISA口座は1人につき1口座なので、どちらの証券会社にするか運用目的に合わせて選んでみてください。
ちなみに「まとまった金額(年間100万円程度)を非課税で運用したい」という方はNISAを選び、「少額(年間40万円以内)で長期間運用したい」という方は積立NISAを選ぶとよいでしょう。
iDeCoは掛け金を原則60歳になるまで引き出せなくなりますが、一般的な投資より有利な税制で運用ができる制度です。「年金を自分で運用して作る」というイメージに近いです。
会社員では国民年金の他に厚生年金もありますが、自営業者などは基本的に国民年金のみなので、「老後の年金不足に備えたい」という方におすすめです。またiDeCoの掛金は全額所得控除の対象なので、節税としても利用可能です。
IPO(新規公開株)の取り扱い対応が証券会社によって違う
IPOは「Initial Public Offering」の略で、新規株式公開ともいわれています。
具体的には証券取引所に上場して株を投資家に売り出し、株式市場での売買を可能にすることで、誰でも株取引ができるようにすることをいいます。投資家は新規公開直後の値上がりを期待して購入することが多く、抽選などの方法で投資の可否を決めることがほとんどです。
IPOの取り扱いの有無や銘柄に関しては証券会社によって異なります。抽選ルールも証券会社ごとに異なるので、それぞれの特徴をチェックしましょう。「当選確率を上げたい」という方は複数口座の開設をおすすめします。
取引金額の仕方によって手数料が高くなる場合がある
証券会社によって手数料はさまざまですが、株取引する際の手数料プランは主に「株式取引の約定ごとの手数料」と「1日定額の手数料」の2種類に分かれます。自分はどちらの取引が適しているか、口座開設前に確認するとよいでしょう。
また手数料は取引金額によっても変わるため、注意が必要です。例えば1日に合計取引額が100万円以下の定額プランなら手数料0円なのに、約定ごとのプランにしていたことで手数料がかかってしまったなど、同じ金額の取引なので手数料で差がでることがあります。
金額や回数などによって変わってくるので、自分にあったプランを選ぶことをおすすめします。
投資初心者におすすめの人気ネット証券5選
SBI証券![]() | 楽天証券![]() | マネックス証券![]() | 松井証券![]() | SBIネオトレード証券![]() | |
---|---|---|---|---|---|
口座数 | 約800万口座 | 約700万口座 | 約190万口座 | 約140万口座 | – |
取り扱い商品 | 外国株:対応 投資信託:約2,700種類 | 外国株:対応 投資信託:約2,700種類 | 外国株:対応 投資信託:約1,200種類 | 外国株:対応 投資信託:約1,600種類 | 外国株:非対応 投資信託:約10種類 |
NISA対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
積立NISA対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
iDeCo対応 | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
口座開設 |
上記表は、投資初心者におすすめの人気ネット証券会社です。「どの証券会社ではじめたらよいかわからない」という人は、この中から選ぶことをおすすめします。
SBI証券は証券口座開設数800万以上の国内取引シェアNo.1の証券会社です。業界屈指の格安手数料を実現し、初心者でも安心して取引できます。
楽天証券は現在人気急上昇中のおすすめ証券口座です。取引で楽天ポイントが溜まったり、楽天市場でポイントアップ倍率がよくなったりと、楽天経済圏で生活している方にとっては便利な証券会社といえるでしょう。
マネックス証券は最短1営業日で開設可能なので、今すぐ取引を開始したい方におすすめの証券会社です。
松井証券は創業100年以上の老舗証券会社で、投資初心者に手厚いサポートがつくことが特徴です。SBIネオトレード証券は売買損益シミュレーション機能が人気の証券会社です。
以上、人気のおすすめ証券会社5選を参考に選んでみてください。
迷ったら「SBI証券」を選べば間違いなし!
- 開設している口座数が多い
- NISA、積立NISA、iDeCoに対応している
- クレジットカードで投資信託の積み立て購入するとポイント還元される
- 手数料の定額制がある
どのネット証券を開設するか迷ったら、SBI証券をおすすめします。なぜなら同社は、口座開設数830万を突破したネット証券会社だからです。
SBI証券は取り扱っている外国株の種類が多く、株式以外に債券や金などにも投資可能です。同社で口座開設していれば、大半の金融商品に投資できます。
またNISA・積立NISA・iDeCoの税制優遇制度にも対応しているため、お得に資産形成を進めたい投資初心者から上級者まで幅広く満足できるネット証券です。
さらに、ポイント還元率が高水準なことや、手数料が1日100万円まで無料な点も魅力といえます。
Tポイント・Pontaポイント・dポイントで投資ができるうえ、三井住友カードで積立投信をするとVポイントが付与されるクレカ積立(積立NISA口座も対象)など、ポイント投資においてもおすすめの証券会社といえるでしょう。
まとめ
- ネット証券がおすすめ
- 投資したい金融商品を扱っている証券会社を選ぶ
- 証券会社を選ぶ時はポイント還元や手数料もチェックする
- 1番のおすすめはSBI証券
証券会社にはネット証券と対面型証券があります。しかし手数料が安いことや、PCやスマホから手軽に取引できる点を考えるとネット証券がおすすめです。ネット記事の選定や口座開設は自分で行う必要がありますが、本記事で紹介している選び方を参考にすれば初心者でも簡単にできるでしょう。
ネット証券を選ぶ際のポイントは、投資したい金融商品を取り扱っている、ポイント還元がある、NISA・積立NISA・iDeCoに対応している等です。自分にあった商品を取り扱っている証券会社を選んでみてください。
どこのネット証券にしようか迷った時は、SBI証券にすることをおすすめします。口座開設数や取扱商品数の多さから、汎用性の高い証券会社といえるでしょう。
今回の記事を参考に自分のスタイルに合った証券会社を選んでください。
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