S&P500とは?買い方や今後の見通しを解説

S&P500ってなんだろう?
これから投資しても大丈夫?

S&P500とはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の株式市場の株価指数のひとつですが、具体的にどのようなものかよくわからない人も多いでしょう。

この記事ではS&P500の基礎知識から価格の推移、メリットやデメリットを詳しく紹介します。

S&P500について

S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の株式市場の株価指数のひとつです。

ニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場されている約500銘柄を時価総額をもとに指数化したもので、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。

S&P500の構成銘柄

S&P500の構成銘柄に採用されるためには下記の条件を満たす必要があります。

S&P500の構成銘柄の採用条件

・時価総額が127億ドル以上(2023年1月4日時点)
・流動性が高い
・米国企業である
・四半期連続で黒字利益を達成している など

これらの条件を満たす構成銘柄のうち、2022年12月現在の上位10位の銘柄はこちらです。

銘柄業種
アップル情報技術
マイクロソフト情報技術
アマゾン・ドット・コム一般消費財
アルファベット クラスA(グーグル)コミュニケーション・サービス
バークシャー・ハサウェイ金融
ユナイテッド・ヘルスヘルスケア
ジョンソン&ジョンソンヘルスケア
アルファベット クラスCコミュニケーション・サービス
エクソンモービルエネルギー
テスラ一般消費財

GAFAMなど世界を代表とする有名企業が、構成銘柄の上位を占めていることがわかります。

GAFAMとは

Google、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftの頭文字をとった総称のこと。

近年のS&P500のポイント推移

近年のS&P500のポイント推移はこちらです。

1990年代から2023年にかけて、ほぼ右肩上がりでポイントが上昇していることがわかります。

2008年ごろのリーマンショックや2020年ごろの新型コロナウイルスの流行などにより短期的な下落は見られるものの、長期的には成長し続けています。

次に2018年から2023年の5年間のポイント推移はこちらです。

2020年に新型コロナウイルスの流行でポイントが急落後、2021年末にかけて約2倍まで上昇しています。

その後2022年に入るとポイントは再び下落しています。

これはロシアのウクライナ侵攻に伴う、米国のインフレ抑制のための政策金利引き上げが影響しています。

2022年末になると下落は落ち着き、2023年に入ってからは上昇傾向となっています。

これらを踏まえ、S&P500の今後の見通しを確認します。

S&P500の今後の見通し

S&P500の今後の見通しを考える上で重要な項目はこちらです。

S&P500の今後

・米国のインフレと金利上昇の状況
・米国の景気動向

2022年に起きた消費者物価指数の大幅な上昇に伴うインフレ抑制のため金利が上昇しましたが、2023年以降は物価高が落ち着きインフレの沈静化が期待できると予想されます。

米国の景気動向は、2023年以降景気の後退が予想されますが、2024年に向けて再び緩やかな成長曲面に入っていくと予想されています。

これらの見通しから、2023年中ごろまではポイントの大きく上昇する可能性は低く、買い時であると判断もできるでしょう。

ただし今後の見通しは様々な意見があるため、引き続き米国のインフレ状況や景気動向について情報を集めることをおすすめします。

S&P500に連動する投資信託のメリット・デメリット

ここまで見てきたS&P500の特徴から、メリットとデメリットを紹介します。

S&P500に連動する投資信託のメリット

S&P500に連動する投資信託のメリットは大きく3つあります。

S&P500に連動する投資信託のメリット

・長期の保有で成長が見込める
・分散投資によるリスク低減効果が期待できる
・運用コストが安い

S&P500は約500銘柄を対象とし、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしていることから、分散投資によるリスク低減効果も期待できます。

さらにS&P500に連動する投資信託は、一般的な投資信託と比較して運用コストである信託報酬が低く設定されています。

これはS&P500に連動するように運用されているため、利益のために調査や分析が必要な一般的な投資信託と比較するとそれほど運用コストがかからないためです。

運用コストは高ければ高いほどリターンが減ってしまうため、投資を行う上で非常に重要な項目となります。

S&P500に連動する投資信託のデメリット

S&P500に連動する投資信託のデメリットは大きく2つあります。

S&P500に連動する投資信託のデメリット

・短期的な利益は少ない
・指数を超えるリターンは見込めない

価格推移でも確認したように、S&P500は中長期的には成長し続けていますが、短期的には下落や上昇を繰り返しています。

またS&P500に連動する投資信託は、指数を超えたリターンは見込めません。

そのため短期的なリターンや指数を超えるリターンを求める人には、S&P500に連動する投資信託は向いていないでしょう。

S&P500の連動銘柄の買い方

S&P500の連動銘柄の購入方法はいくつかありますが、この記事では以下の2パターンを紹介します。

S&P500の連動銘柄の購入方法

①投資信託を購入(eMAXIS Slim 米国株式(S&P500))
②ETFを購入(VOO)

投資信託

S&P500に連動した投資信託はいくつかありますが、なかでも三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の購入がおすすめです。

理由としては下記のとおりです。

・他の商品と比較して純資産額が多い
・信託報酬が比較的低い

純資産額が多いということは、多くの投資家が資産を預けているため人気が高い商品であるということです。

ETF

S&P500に連動したETFはいくつかありますが、なかでも「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」の購入がおすすめです。

理由としては下記のとおりです。

・運用コストが少ない
・ほかのETFより配当利回りが高い

配当利回りが高く運用コストも少ないため、安定して利益を得たい人におすすめです。

投資信託やETFの購入方法

S&P500に連動した投資信託やETFの購入は証券会社でできます。

証券会社にはSBI証券や楽天証券、IG証券などさまざまな証券会社があります。

取引手数料や取り扱っている商品の種類など、それぞれの証券会社で異なるため自分に合った証券会社を選びましょう。

まとめ

S&P500とはS&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している米国の株式市場の株価指数のひとつであり、米国株式市場の時価総額の約80%をカバーしています。

リーマンショックや新型コロナウイルスの影響を乗り越えてきており、今後も成長が見込まれています。

メリットやデメリットを踏まえ、自分のスタイルに合わせた投資を行いましょう。