
「円安はやばい!」って聞くけど、
どうしてやばいのかをわかりやすく教えてほしい。
そもそも円安と円高についてよくわからない、という人も多いでしょう。
この記事では円安・円高の解説から、円安のメリット・デメリットと円安の対策について紹介します。
そもそも円安・円高とは?
通貨の価値は「相対評価」で決められるため、外国のお金に対して円の価値が高いか低いかで判断します。
・円高→外貨に対して円の価値が高い
・円安→外貨に対して円の価値が低い
例えば、1ドル=100円を基準に、1ドルのリンゴを買う場合を考えてみましょう。
円安の場合
1ドル=100円から1ドル=120円となった場合、1ドルのリンゴが100円で買えてたところ、120円必要になります。
この場合、リンゴを買うためには20円多く必要となるため、相対的に円の価値が下がったことになります。
これが円安の状態です。
円高の場合
1ドル=100円から1ドル=80円となった場合、1ドルのリンゴを買うために100円が必要だったところ、80円で買えるようになります。
この場合、リンゴを買うためのお金は20円減るため、相対的に円の価値が上がったことになります。
これが円高の状態です。
円安がわたしたちの生活に与える影響
円安が進むことで、日本に暮らすわたしたちの生活へどのような影響があるのでしょうか。
円安のメリットやデメリットを、具体例を交えて解説します。
円安のメリット
円安のメリットは大きく3つあります。
・外国人旅行者の増加により観光地が活性化する
・輸出産業の業績が向上する
・投資における海外資産の価値が上がる
円安は個人よりも企業へのメリットが大きくなります。
自動車業界や電子部品業界など海外へ製品を輸出している輸出産業や外国人観光客の増加により収益が増える観光業など、外国人や海外向けの企業が利益を得やすくなります。
また個人では、投資などによる海外資産の価値が円安により相対的に上がることで、為替差益により購入時よりも多く円を得ることができます。
円安のデメリット
円安のデメリットは大きく3つあります。
・輸入製品の価格が高騰する
・エネルギー価格が高騰する
・海外旅行の費用が割高となる
デメリットからもわかるように、円安は個人の生活に大きく影響が出ることから「円安はやばい」と言われています。
具体的には、まず輸入に頼っている小麦や油などの製品は円安により価格が高騰します。
それに伴い、小麦などを原料としている加工品などの価格も高騰することからわたしたちの家計に大きな影響を及ぼします。
さらに日本のエネルギー自給率は11.8%(関西電力「日本のエネルギー事情」)と、エネルギーのほとんどを輸入に頼っていることから、電気やガスなどの利用価格も高騰します。
また海外旅行にかかる費用も、円安が進むほど割高となっていきます。
日常生活でできる円安対策は2つ

円安になった時のために何かできることはあるの?
個人が日常生活でできる円安への対策は大きく2つあります。
それぞれわかりやすく紹介します。
円安に強い海外資産を保有する
円安対策として、円安時に相対価値が上がる海外資産を保有しておきましょう。
海外資産の例として以下のものがあります。
・外貨預金
・外国株式
・外国債券 など
海外資産は相対価値が上がるだけでなく、円で保有していた場合の資産価値減少のリスクも回避できます。
海外資産の保有方法としては、「外貨積立」や「つみたてNISA」などがあります。
国内生産されたものを購入する
国内で生産された野菜などの食品や製品は、円安による影響を比較的受けづらいため急激な価格高騰は抑えられる場合が多いです。
食卓に出す食材を地元の野菜やお米中心にするなどを心がけることで、円安による生活の影響を最小限にとどめていくことが重要です。
まとめ
円安や円高は、外国の通貨と比較して円の価値が相対的に高いのか低いのかで決まります。
円安は企業にとってはメリットが大きいですが、わたしたち個人の生活には大きな影響を及ぼす場合が多いのが特徴です。
海外資産の保有や国内生産されたものを購入することにより、円安対策を行いましょう。