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法人なら海外不動産の減価償却費の計上は可能!個人とは異なる節税の仕組みを解説

節税対策
法人なら海外不動産の減価償却費の計上は可能!個人とは異なる節税の仕組みを解説

公開日 2022年9月13日 更新日 2022年9月13日

節税対策に活用されることの多い「海外不動産投資」。

高額な不動産ならではの減価償却という仕組みを使ったスキームで、節税効果の大きな方法として注目されてきましたが、2019年の税制改正によって大きく規制の動きが進みました。

「減価償却という仕組みがどうして海外不動産投資での節税につながるの?」と疑問を持つ方に向けて、海外不動産投資の仕組みや税制改正の内容、今後どうすれば節税対策になるのかを解説します。

 海外不動産投資とは

海外不動産投資とは、文字どおり海外不動産を用いた資産運用です。「価値が上がった際に売買益を得る」「賃貸などで運用をして運用益を得る」といったメリットに加えて、節税のメリットもあります。

詳しくは後述しますが、高額な不動産ならではの「減価償却」という仕組みを活用した方法です。

海外不動産には大きなメリットがあると同時に、投資である以上は不動産が値下がりするリスクがあったり、賃料の取り損ね、利用者とのトラブルなど不動産特有のデメリットも存在します。

海外不動産投資で節税できる仕組み

たとえば、以下の海外不動産を購入した場合をモデルケースにして考えてみましょう。

  • 建材:木造
  • 価格:2000万円
  • 建物比率:80%(1600万円)
  • 築年数:23年

この場合、2000万円の80%にあたる1600万円が建物分の価値に相当しますが、建物の価値は住み続けて使用されるごとに価値が下がっていくとみなすことができます(減価償却。詳しくは後述)

このモデルケースであれば、建物はすでに古いため、1600万円の建物は4年かけて0円相当になる、すなわち1年に400万円ずつ価値を減らしていきます。この「減った価値」は、経費として所得から引くことができます。

(例)

  • 所得:1800万円
  • 投資をしない場合に税金がかかる所得額:1800万円
  • 投資し減価償却費を計上したときの所得額:1,800万円 ― 400万円=1400万円

この場合は、課税対象金額を4年にわたって毎年400万ずつ抑えることができるのです。

また、所得税は累進税率が取られているため、1800万円の場合は40%の税率が、1400万円になると33%の税率が適用される、すなわち4年間は所得税を低い税率に抑えることができます。

なお、減価償却を終えた不動産はその後販売することも可能です。数年にわたって税額を抑えながらも、その後売り払うこともできる点が海外不動産投資の人気の理由です。

減価償却とは

「減価償却」とは、長く使用することを前提とし、時間の経過や使用によって価値が減少する資産に対して適用される会計上の考え方です。

これまで説明してきた不動産に限らずパソコンなどの備品や車、機械等が対象となります。

例えば100万円で購入した備品を10年かけて使う場合、その備品の価値は支払ったその瞬間に使い切られるのではなく、10年間にわたって一定額ずつ消費されていくとみなすことができます。

そのため経費計上で通常の支出とは分けて計算し、10分割して1年につき10万円ずつ経費に計上します。

この「何年で分割するか」というのは、資産の構造や材質、用途によって個別に定められており、この年数を「法定耐用年数」と呼びます。

2019年の税制改正で個人に規制が入った

さて、かつては上記の減価償却による節税がされてきたのですが、2019年末に発表された税制改正で規制が加えられました。規制が適用されるのは2021年以降の確定申告からです。

節税のために投資したつもりが損をしてしまった、ということにならないよう規制の対象者や内容について確認していきましょう。

税制改正の内容

2019年末に発表された2020年度の税制改正大綱の中で、「個人が不動産投資で減価償却費を経費に含めることは、2021年以降の確定申告において認めない」という内容が言及されました。

個人の海外不動産投資による節税に規制が入った理由

規制が加えられたもっとも大きな理由として、海外不動産に国内富裕層の資本が集中する状況が続いてきた背景があります。不動産業者も、節税効果を売り文句として海外不動産投資を後押ししてきました。

海外に資本が向かうということは、国内から資本が出ていくということです。資本の行きすぎた集中を懸念して規制するべきだと問題視する声は以前から上がっており、国税庁によってついに減価償却が禁止されるにいたりました。

 法人による海外不動産の減価償却は可能!

しかし海外不動産投資がまったくできなくなったかというと、実は2020年度の税制改正の規制対象はあくまで個人であり、法人は規制の対象外です。

ただし、後ほど詳述しますが、個人での節税スキームが法人にまったく同じように適用できるかというと、実はそうではありません。「法人の場合、完全な節税だとは言えない」という指摘もあります。

上記を踏まえながら、法人の海外不動産投資について、税金の計算方法や不動産購入の手順、注意点などについて詳しく見ていきましょう。

法人の減価償却費の節税効果と計算例

法人が海外不動産に投資した場合の法人税の課税対象は、以下の計算式で求めることができます。

 売却額 – (購入金額 – これまでの減価償却費の累計) – 売却にかかった諸費用 

 

例えば、以下の数値でシミュレーションしてみましょう。

  • 売却額:2000万円
  • 購入金額:3000万円
  • これまでの減価償却費の累計:1500万円
  • 売却にかかった諸費用:100万円
2000万円 – (3000万円 – 1500万円) – 100万=400万円

この場合、減価償却を終えた後に売却したすると、400万円分が課税対象となります。

仮にこの企業が払う法人税を30%とした場合、4年間で法人税を約120万円おさえることができます。

法人の海外不動産の減価償却の注意点

法人の海外不動産投資について、事前に確認しておくべき注意点も存在します。

先述のとおり、「完全な節税方法とは言えない」という指摘もあります。支払う税金自体を減らすのではなく、支払うタイミングを分散して先送りさせるだけの「税金の繰延」である点には注意が必要です。ただ単純に海外不動産投資をおこなっただけでは、税金の支払額自体は変わりません。

また減価償却による節税スキームは、利益から減価償却費を控除することで課税金額を小さくすることが目的ですが、減価償却費が利益を上回る(利益が0円以下になる)場合には、マイナス分が無駄になってしまい、むしろ支払う税金の総額は増えてしまうこともあります。

利益の見通しが立っている場合には法人の海外不動産投資は有効ですが、利益が大きく落ち込む期があるような場合は、本当に節税効果があるか注意が必要です。

そのほかにも、法人による海外不動産投資には次のようなリスクがあります。

  • 国によっては減価償却制度が適用されない
  • 売却益に課税される(短期で売却すると設備投資を打ち消してしまう)
  • 今後、規制対象が法人に広がる可能性もある

海外不動産投資ができる国は?

日本人の海外不動産投資に向いていると言われる国々の一例は、以下のとおりです。

  • アメリカ
  • フィリピン
  • タイ
  • マレーシア
  • オーストラリア
  • イギリス
  • ポルトガル

選択のポイントは、投資の目的や回避したいデメリットにもよりますが、以下の点が挙げられます。

  • 取引の安全性
  • 不動産の値上がり可能性や資産性
  • コミュニケーションの取りやすさ
  • 運用益の上げやすさ
  • 物件価格

どこの国が一番よいということは一概には言えませんが、将来の値上がりを期待する場合には人口増加率の高いアジア諸国、取引の安全性・確実性を重視する場合にはこれまでも人気の高かったアメリカなどから探していくのがよいでしょう。

法人が海外不動産投資を行う方法

法人が海外不動産投資を行う場合、具体的には次の3つの方法が考えられます。

  1. 日本の不動産会社で購入する
  2. 現地の不動産会社から購入する
  3. 専門家に相談する

言語の問題もあり、1の方法が取られることが一般的です。海外不動産投資に関連したセミナーや相談会が開催されているため、まずは国内で情報収集を進めていくのが確実な方法と言えます。

まずは専門家へご相談を

法人の海外不動産投資は2020年度での税制改正では規制されなかったものの、将来絶対に法人は問題視されないかといえば、その保証はありません。

また、法人にとっては「完全な節税」とは言えないことや、「海外不動産」という現物への投資ならではのデメリットや将来のリスクがあることも解説しました。

そのほかの手段の法人の節税や海外投資などについてもお考えであれば、弊社トータス・ウィンズでも無料ご相談を承ります。お気軽にお問い合わせください。

まとめ

海外不動産投資の減価償却を使った節税スキームはこれまで、もっとも人気のある節税対策の一つでした。複数年にわたって税率を下げた上で、中古不動産の価値が下がりにくいアメリカなどであれば、さらに十分な金額で売り払うこともできました。

それだけに、個人の節税を禁止した2020年度の税制改正が与えるインパクトは大きいです。法人は禁止の対象外でしたが、今後の動向にも注目しておく必要がありそうです。

当記事がご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。