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役員社宅で節税する方法とは?家賃を経費化する仕組みや注意点を解説

節税対策
役員社宅で節税する方法とは?家賃を経費化する仕組みや注意点を解説

公開日 2022年9月14日 更新日 2022年9月14日

役員の住居を会社名義で用意する『役員社宅』。役員にとって福利厚生となるだけでなく、会社にとっても節税効果がある一方で、あまり詳しい規定は知られていません。

本記事では

  • 役員社宅が節税になると聞いたが、その仕組みがいまいちよくわからない

といったお悩みを抱えている経営者や財務担当者の方に向けて、『役員社宅』が節税となる仕組みや注意点について具体的に紹介していきます。

役員の住居を会社名義の社宅にすれば節税できる

役員社宅とは、文字通り役員が居住する賃貸物件を会社名義で契約したもののことです。個人であれば本来役員自身が100%払う家賃の、一定割合を会社が負担します。

家賃負担が減ることは当然役員にとって嬉しいことですが、役員社宅を用意する狙いは、ただ役員への福利厚生というわけではありません。会社にとっても、節税をはじめ大きなメリットがあります。

役員社宅を活用するメリットは次の3つです。

  • 会社負担分の家賃が全額損金扱いになる
  • 社会保険料負担が軽減される
  • 役員の可処分所得額が増える

それぞれ詳しく見ていきましょう。

会社負担分の家賃が全額損金扱いになる

基本的に、役員社宅の家賃は役員と会社が分割して支払います。その際、会社が支払った分の家賃はすべて損金扱いとして経費に含めることができます。

経費計上した分、課税対象となる利益は小さくなるため、法人税の支払いを抑えることができます。

たとえば、賃料20万円の役員社宅に対して会社が50%を負担した場合は、毎月10万円分を損金計上する、つまり会社の利益を年間120万円分おさえられるという計算になります。

社会保険料負担が軽減される

役員社宅への賃料を差し引いてから役員報酬を支払う場合と、役員報酬を支払ったあとで役員自身が住居費を支払う場合を比較すると、役員社宅を選択した方が会社が支払う社会保険料は小さくなります。

社会保険料は給与に比例して決まり、その保険料の半額は会社が負担すると決められているからです。

会社としては給与を高くしてその分多くの社会保険料を支払うよりも、役員社宅にかかるお金を先に支払ってそのぶん給与を減らした方が、社会保険料の負担分が抑えられることになります。

役員の可処分所得額が増える

メリットがあるのは会社側だけではありません。役員にとっても、可処分所得が増えるというメリットがあります。

額面上は役員報酬が減ることになっても、会社が家賃の一部を負担してくれて家賃負担は小さくなる分、結果的に手取りは大きくなるのです。

さらに報酬金額を抑えることで、課税対象金額を小さくできるため所得税を抑えられる効果もあります。

役員にとっても多くの報酬を受け取ってから自分で住居費を支払うより、役員社宅にかかる賃料を会社から先に差し引かれた上で報酬をもらう方が、金銭的なメリットが大きいと言えます。

役員社宅を活用した節税対策の仕組み

役員社宅に賃料を支払うとどのように節税になるのか、お金の流れを分解しながら考えてみましょう。

毎月の賃料20万円の賃貸物件を、法人名義で大家から借りて役員社宅にするとします。すると、会社から見たお金の動きは、次のとおりです。

  • 賃料の100%である20万円を会社から大家に支払います
  • 居住する役員から、賃料の一部として10万円を受け取ります
  • 会社は20万円-10万円=10万円を、実際に会社が負担した賃料として経費に計上できます

支払った家賃と役員から受け取った賃料の「差額」を経費として売上から引くことができるため、節税効果があるという仕組みです。

ただし、役員住宅を活用するには、一定の要件を満たす必要があります。

【役員社宅として認められる要件】
  • 法人名義で賃貸契約する
  • 家賃の一部を役員が負担する
  • 家賃の支払いは会社が行う

上記を満たしていない場合は、その住居が役員社宅であることが税務署から認められず、家賃担分を経費計上できない、すなわち節税効果が得られないということになります。

後から経費にできると勘違いしていると大きく損をしてしまう場合もあるので、事前に慎重に確認しておきましょう。

役員社宅の家賃の設定・計算方法

前述のとおり、役員社宅の賃料を経費として認めてもらうには、税務署に役員社宅であることを認めてもらう必要があります。

特に家賃の設定基準に関しては、役員本人が支払うべき家賃の割合(賃貸料相当額)について、国税庁が床面積に応じて定めています。

床面積に応じた区分は下記の3タイプです。該当するものについて、計算方法をチェックしておきましょう。

  • 小規模な住宅
  • 小規模以外の住宅
  • 豪華社宅

小規模な住宅

「小規模な住宅」とは、文字どおり3区分のうち最も床面積の小さな区分で、多くの役員社宅がこれに該当します。

「小規模な住宅」に該当する床面積は、建築物の法定対応年数に応じて次の2とおりあります。

また役員が支払うべき賃貸料相当額は、次の(1)〜(3)を合計した金額になります。

(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント

(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))

(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント

出典:国税庁HP 『役員に社宅などを貸したとき』

小規模以外の住宅

小規模な住宅」に該当しない場合は、会社が購入し所有している物件か、ほかの大家などから借り受けた住宅を社宅としているかによって、役員が支払う割合は異なります。

【自社所有物件】

次の(1)(2)の合計額の12分の1が家賃相当額となります。

(1)その年度の建物の固定資産税の課税標準額 × 12%

ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じる

(2) その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 × 6%

【他から借り受けた物件】

以下の金額のいずれか多い金額が、家賃相当額となります。

  • 上記【自社所有物件】で算出した賃貸料相当額
  • 会社が家主に支払う家賃の50パーセント

 豪華社宅

「豪華社宅」は役員社宅ではありますが、会社負担分を経費に含めることはできず節税効果は得られません。すべて役員自身の負担分とされます。

豪華社宅とみなされるかは、以下の項目を中心に総合的に判断されます。

  • 床面積240m2以上か
  • 物件価格
  • 内装・外装・設備状況

なお床面積が240 m2に満たない場合でも、役員の嗜好による設備がある等によっては豪華社宅とみなされる可能性もあります。

役員社宅を活用して節税対策する際の家賃設定のポイント

役員から受け取る家賃は会社と役員で負担割合を設定しますが、金額の設定には押さえておくべきいくつかのポイントがあります。

これらを押さえておかないと節税効果が薄くなってしまうばかりか、税務署から経費として認めてもらえない場合もあります。

以下、家賃設定の2つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

  • 役員が支払う家賃が50%以上だと節税効果が薄い
  • 家賃設定が無償・少額だと給与課税の対象になる

役員が支払う家賃が50%以上だと節税効果が薄い

ここまでの計算例では、役員が支払う割合を50%と仮定し計算してきました。

実際に50%としている場合が多いのですが、これは住宅の床面積で家賃相当額を計算することが難しいあるいは手続きが煩雑である場合に認められるのが「50%」であるからです。

逆に言えば、家賃相当額を計算し手続きができる場合には、家賃相当額を50%より少なくできる場合があるということです。

実際に床面積から家賃相当額を計算すると50%以下となる、つまり会社の負担分が50%以上となることが少なくありません。会社負担額を70〜80%に設定できれば、節税効果は当然大きくなります。

建物の価格を調べる際には、総務大臣が定めた固定資産評価基準に基づいて各自治体が作成した『固定資産課税台帳』を確認します。

手間はかかりますが月々の節税効果に大きな差が出てくることを考えれば、大まかに50%と設定してしまうよりもメリットがあるといえます。

家賃設定が無償あるいは著しく少額だと、給与課税の対象になる

会社負担分を大きくすれば良いのだとすれば、いっそ無償としてしまえば最大の節税効果が得られるのではないかと考える方もいるでしょう。

しかし家賃を無償あるいは著しく低く設定すると、今度はそもそも役員社宅として認められず損金算入ができなくなってしまいます。

役員社宅ではない住居を会社が役員に提供しているとなると、実質的に給与として扱われるためさらに課税対象ともなります。

役員社宅として認められるための要件の中でも確認したように、妥当な範囲内で家賃設定する必要があります。

役員社宅を活用して節税対策する際の注意点

家賃設定のポイントに続いて、役員社宅を活用した節税対策全般で注意しておくべきポイントを4つお伝えします。

後から予期しない費用が発生するなどのトラブルを回避できるように、事前に確認しておいてください。

  • 社内ルールの整備は必須
  • 初期費用が発生する
  • 家賃以外の負担は課税対象になる
  • 居住している賃貸物件の法人契約変更は難しい

社内ルールの整備は必須

役員社宅を用意する場合、明確な社内規定の整備は必須です。規定が設けられていない場合、税務調査の際に問題視されてしまうおそれがあります。

なお、福利厚生の一環としてすでに従業員向けの社宅に関して規定があるという場合も、役員社宅に対応した規定を新たに設ける必要があります。

役員と従業員とでは、税務上の扱いが異なるからです。税理士など専門家に相談しながら規定の整備を進めましょう。

初期費用が発生する

通常の賃貸物件と同様、新たに契約をする際には、敷金、契約手数料、書類作成費用などの初期費用がかかります。

賃料だけでなくまとまった費用が一時的にかかるため、初期費用まで踏まえて算出しておくようにしましょう。

なお、役員が個人契約していた賃貸物件を法人契約に変更する場合も、基本的には新規契約と同様に初期費用がかかります。

ただし不動産会社や大家にもよっては、費用の免除や減額に応じてくれる場合もありますので相談してみるとよいでしょう。

家賃以外の負担は課税対象になる

経費として計上できるのは家賃と共益費のみです。

光熱費や駐車場代などを会社が負担する場合は、役員への報酬扱いとなるため経費に含めることはできず、また給与と見なされ課税の対象となってしまいます。

居住している賃貸物件の契約変更は難しい

前述のとおり、既に個人名義で契約し、居住している賃貸物件の名義を個人から法人に変更する事は困難です。

大家さんの意向によっては相談に乗ってくれることもありますが、途中で会社を退職した場合や契約終了時の敷金返金などでトラブルにつながることも考えられます。

従って一般的には個人契約を終了し、会社が新規に契約を結び直すという形が取られます。

役員社宅での節税と福利厚生を検討しているなら法人保険もおすすめ!

ここまで見てきたように、役員社宅制度は節税においても福利厚生面でもメリットがあることがわかりました。

もしあなたの会社が福利厚生と節税の方法を考えているなら、「法人保険」もあわせて検討してみることをおすすめします。

法人保険にも「保険料を損金算入できる」「役員や従業員の退職金準備ができる」など、節税面、福利厚生面でのメリットが多く存在します。

ただし法人保険には、商品が非常に幅広くわかりづらいというデメリットも。

今回紹介した役員社宅や法人保険のポイントや注意点を詳しく知りたいという方は、しっかりとした知識や情報を待つプロに相談しましょう。

私たち『トータス・ウィンズ』でも無料相談を承ります。オンライン面談も可能ですので、お気軽にご活用ください。

まとめ

役員社宅を活用した節税は、役員にとっても会社にとっても大きなメリットのある仕組みです。

役員が賃貸住宅に住むということは同じであるにもかかわらず、報酬を渡す前に賃料を支払うか、報酬を支払ってから役員本人が賃料を支払うか。

その順番が変わるだけで、節税対象となる金額は年間で数百万円にものぼります。

また、役員社宅を契約する場合も、役員が支払う家賃の設定方法や賃借する物件によって、どれだけ経費に計上できるかに差があることもご説明しました。

本来得られるはずの節税メリットを逃すことのないよう、ポイントや注意点を確認しておきましょう。

当記事がご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。