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【お勧め書籍】「がん」が生活習慣病になる日

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【お勧め書籍】「がん」が生活習慣病になる日

公開日 2022年11月16日 更新日 2022年11月16日

がんは「治らない」から「治る」病気へ

日本人の死因の第1位である「悪性新生物(がん)」

厚生労働省の調査によれば、2021年のがんの罹患数は約100万人、死者数は約38万人となっています。

東日本大震災による死者数がトータルで約1万6千人、あれほど恐れられたコロナによる死者数でさえ2022年11月15日までの累計で約4万7千人ですから、がんの死者数がいかに多いか分かります。

  • 日本人が一生のうちにがんと診断される確率は(2019年データに基づく)
    男性65.5%(2人に1人)
    女性51.2%(2人に1人)
  • 日本人ががんで死亡する確率は(2020年のデータに基づく)
    男性26.7%(4人に1人)
    女性17.9%(6人に1人)

統計データとしてみれば、「がん罹患」や「がんによる死亡」は、震災や感染症などより遥かに脅威的と言えるのではないでしょうか。

しかし私たちは「病院でのコロナ感染が怖いから、数年間がん検診を控えている」という非合理的な行動を取りがちです。

さなたは自信をもって、がんに関する正確な情報を持っていると言えますか。定期的に「がん診断」を受診して、早期発見されるよう心掛けていると言えるでしょうか?

そんなあなたにお勧めしたいのが本書『「がん」が生活習慣病になる日』です。

本書を読むと、以下の「がんに関する目からウロコの最新知識」を得ることができます。

【要点】

・がんは、ある条件さえ満たせば90%は死なない病気になった

⇒その「ある条件」とは「早期発見」

⇒一般的ながんの5年生存率は60%強だが、早期発見して治療を開始した症例だけをみれば、ほぼ100%の生存率になる!

⇒しかし、日本のがん検診率は30%~40%程度で、国際的にみて非常に低い受診率にとどまっている。

⇒それでもなぜ、これほど生存率が高くなったのか?その理由は?

以下、本書で印象に残った点を箇条書きしていきます。

【概要】

・平成以降、もっとも進歩した医療は間違いなく「がん治療」。

⇒かつてはどんなに手を尽くしても命を救えないのが癌という病気だった。

・日本でがん検診の受診率が低い理由は、「正常性バイアス」が働いているから。

⇒「自分は大丈夫」「みんな受けていない」「がんになったらなったで仕方ない」という過信・油断が、がんの早期発見を遅らせてしまう。

・人は「目に見える恐怖」など、強い感情が引き起こされるような危機にはすぐ反応できるが、「目に見えない間接的な危機」にはうまく反応できないように出来ている。

・がん治療の進歩は目覚ましく、いまやがんは早期発見できれば、日帰りや1泊2日の入院で治療できてしまうケースもある。

⇒かつては「告知を受ける=死」と覚悟せざるを得なかった肺がんでさえ、30分程度の手術で治療可能に。

がんの早期発見には、一般的ながん検診では不十分

⇒がんの症例のうち、一般的ながん検診で見つかった数は全体の約半数。

⇒任意の人間ドック等のがん検診が有効。

部位別の検査事情

肺がん

・患者の55%が喫煙者。元喫煙者や受動喫煙を含めると、全体の92.5%が喫煙と関係している

・5年生存率はステージゼロで99.3%、ステージ1で84.6%、ステージ2で55.6%。

・禁煙+早期発見で、肺がんは怖くなくなる。

胃がん

・胃がんになる原因の98%ピロリ菌が関係している

・早期発見できれば、ほぼ死なないがんの代表が「胃がん」。

胃がんの早期発見は、ほとんどが内視鏡検査によるもの。バリウム検査では、早期発見は難しい

⇒早期発見できれば、治療は内視鏡手術で済む。ほとんど後遺症なし。

⇒進行がんで外科手術が必要になると、胃の大部分もしくは全摘出。手術後のQOL(クオリティー・オブ・ライフ)は大きく低下する。

・できれば毎年、少なくとも3~5年に1度の内視鏡検査がお勧め。

大腸がん

・女性の死亡率第1位で、患者数は年々増加傾向にある。その数は、ここ40年で7倍になった。

・毎年13万人以上が罹患し、5万人以上が亡くなっている。

・死亡者数多いが、大腸がんも早期発見すれば死なない癌。

・国や自治体のがん検診では、大腸がんの検査項目は便潜血。

⇒だが便潜血検査では大腸がんの早期発見は難しい。3~5年おきの大腸内視鏡検査の受診が望ましい

・大腸内視鏡検査は事前準備が大変で、検査に痛みを伴うため忌避されがち。

⇒しかし将来癌になるかもしれないポリープも検査時に切除できる。

⇒がんの検査・予防・治療が一度に済ませられるメリットが大きい。

乳がん

・早期発見で5年生存率は100%近い。

・触診は医療者でも熟練を要するため、廃止の方向。

・一般的なのはマンモグラフィー検査だが、かなり痛いので忌避されがち。

・乳がんは、早期でも手術せずに完治は難しい。

日常的に異常がないか、自分で注意を払うのが早期発見に最も効果的

子宮頚がん

・早期発見なら99%治せる。

・日本の婦人科系のがん検診受診率は、かなり低い。

⇒OECD36か国中、日本は33位で42.4%の受診率に留まる。これは1位オーストラリア86.7%の半分以下である。

⇒デリケートな部位ゆえに恥ずかしいし、検査に痛みを伴うから。

定期的に健診を受ければ、ほぼ確実に見つけることができる

前立腺がん

・「一生の付き合いになる」と言われるがん。ステージ3までなら、5年生存率は100%である。

・「死なないがん」の印象が強いが、実際には毎年1万人以上が亡くなっており、今後も罹患者・死亡者の増加が見込まれている。

⇒その理由①は、前立腺がんが高齢病であること。平均罹患年齢は72歳である。

⇒その理由②は、早期発見が増えていること。

・進行度は比較的遅い。ベストな対処法は、医療機関とずっとお付き合いを続けること。

・一般的に「長い付き合いになる病気」と言われる。

すい臓がん

・肝臓、胆道、すい臓のがんは悪性度が高いことが多い。

・見つかりにくく、「概ね治る」状況で発見されることは殆どない。他の臓器と密接しているため、手術が最も難しい。

すべての部位別がんの早期発見に言えるのは、定期的にがん検診、がんドックを受けるのがお勧めということ。

がんの最新治療

光線力学療法(PDT)

・手をかざしても殆ど熱を感じないような、低出力レーザーで化学反応を利用して、がん細胞を壊死させたり、縮小させたりする治療法。

iTAP

・抗体医薬とPDTを組み合わせた治療法。がん細胞の殺傷効果は、従来の方法の数百倍。

エレクタニティ

・ミリ単位の正確さで放射線を照射する、放射線治療が到達した革命的な治療装置。

⇒みかんの薄皮レベルの高精度で治療することが出来る。

粒子線治療

・陽子線や重粒子線と言われる、身体へのダメージを最小限にとどめられる治療。

⇒消化器系のがんには使えない、医療機関数が少ないなどの弱点はあるが、昨今は小児がんや前立腺がんなど、保険適用範囲が広がりつつある。

がん検診を他人事だと思っていませんか?

・国が推奨するがん検診は、5大がん(肺がん/胃がん/大腸がん/乳がん/子宮頸がん)しかカバーされていない。

・現状では、それ以外のがん検診を受けい場合や早期発見を目指したい場合、高額な人間ドックを自己負担で受診するしかない。

・AYA世代(Adolescent and Young Adult)15歳~39歳の世代は、がんになる可能性は低いが、統計的には年2万人以上ががん罹患している。

⇒早期発見すれば治る可能性が高くなる。

・問題は、がんに対する正しい知識と理解不足。

⇒過剰に恐れる必要は無く、早期発見すれば命にかかわるリスクが大幅に減ることを知るべき。

国のがん検診の目的

・国のがん検診の目的は、「がんを見つけること」ではなく「がんで亡くなる人を減らすこと」

⇒だから5大がんのみが対象と限定されている。

・いまの日本では、がん健診を過剰に受け過ぎる人と全く受けない人に二極化しており、理想的な診査項目・適切な間隔で健診を受けている人はごくわずか。

⇒国が税金を使って提供するサービスは、公平で不利益のないことが前提となっている。

⇒国の目指すがん検診と、私たちが目指したい「早期発見」「確実に治る」がん健診の間には、大きな乖離がある。

任意で受けるがん検診、人間ドック

・人間ドックのメニューは、経営的な視点から、収益性を重視されがち。医師の目から見て、日本のがんドックは、検査メニューが詰め込まれ過ぎである。

⇒自治体が提供しているがん検診をきちんと受けて、その上で内視鏡検査など必要な検査を追加受診するのがお勧め。

・静岡がんセンターのデータによると、がん検診を毎年継続受診している人でがんが見つかった割合は、ステージゼロ、ステージ1でほぼ8割を占める。ステージ3~4は5~8%程度。

毎年きちんとがん検診を受診していれば、それだけ早期発見率が高くなる

がん早期発見の近未来

・内閣府の「がん検診 未受診の理由2016」によれば、日本のがん検診を受診する人は3~4割にとどまっており、欧米の7~8割に比べると非常に低い割合である。

⇒がん検診の目的や効果、早期発見の重要性が正しく理解されていたら、有り得ない数値。

・そんながん検診の未来を変えるような、新しくて魅力的な検査が出てきた。

  • 検査が簡便、時間が掛からない
  • 苦痛がない
  • 1回の検査で複数のがんの有無が網羅的に分かる
  • 安価
  • 高精度
  • 被ばくなどのリスクが少ない

・その最右翼は、「リキッドバイオプシー」という調査で、人間の体液で検査するもの。

⇒血液を採取するだけで、体内のがんの有無はほぼ確実に分かる

⇒がん細胞に反応する線虫で検査する方法なら、尿検査でもOK

⇒がん検診のプレ・スクリーニング検査として、「リキッドバイオプシー」を導入すべき。

まとめ

先日、初めて受けた大学病院の大腸内視鏡検査でポリープが見つかりました。結果的にはその場で除去されて事なきを得て、悪性腫瘍(がん)ではありませんでした。

しかし、もし内視鏡検査を受けていなかったらどうなっていたでしょうか。数年後、そのポリープが癌細胞化して、大腸がんが見つかってもおかしくなかったかもしれません。

いつでも起こり得る、いわば今回は前哨戦だったんだろうなという認識を持ちました。

考えてみれば、がんは高齢になればなるほど罹患リスクが高まる病気です。だから、誰でもこれから先、いつがん罹患しても全くおかしくありません。

本書では、「がん早期発見の重要性」が強調されています。個人的に最大の発見だったのは、「定期的に適切ながん検診を受けていれば、ステージが進んだ状態のがんが見つかるリスクを大幅に減らすことが出来る」という事実です。

がん細胞は発生してから、検診で見つかるほど大きくなるまでには長い年月がかかります。その成長の過程の中で、早期のがんとして検診で発見できる期間は1年から数年ぐらいだそうです。

だから、症状が出てからだと既に進行がんになっている可能性が高く、症状のない健康なうちから定期的に検診を受けることが大切だということです。

この本を読んで、妻と定期的にがん検診を欠かさず受けようと、そんな風に思いました。

ご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。