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【お勧め書籍】70歳が老化の分かれ道

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【お勧め書籍】70歳が老化の分かれ道

公開日 2022年2月20日 更新日 2022年4月12日

フランスの哲学者パスカルは、「人間は考える葦である」の言葉で有名ですが、自らも物事を徹底的に考え抜いた人だといわれています。彼の著作『パンセ』には、次のような言葉があります。

「死より確実なものはなく、死期より不確実なものはない」(パスカル)

人問は生まれながらの死刑囚である、とパスカルは言っています。考えてみれば当然で、わかりきったことです。しかし多くの人は、この厳粛な事実から目をそむけて生きているのではないでしょうか。

目次

そして、人間は誰しもが老いから逃れることはできません。私の両親が70代を迎えて高齢者の仲間入りをして、私自身もまた40歳を超えて介護保険の社会保険料負担者になったこともあり、いつか介護をする側・される側になることを意識する年代になってきました。

人生100年時代と言われて久しくなりました。100歳を超えたお年寄りは、2021年時点で約8万人ほどがご存命ですが、今の推定だと2050年には50万人を超えるそうで、女性の2人に1人は90歳以上生きるのが確実な時代になると言われています。

おそらく今後も我々の想像以上に医療技術は進歩するでしょうから、100歳というのは夢物語ではなくなるでしょう。ところが、肉体的には寿命が長くなるにもかかわらず健康寿命は男女ともに75歳に届いていないといいます。

つまり、老化の過程である70代をうまく生きることが、その後の長い「高齢者の時期」をいかに豊かに暮らせるかどうかのカギになるという訳です。

そんな「70代をどう生きるか?」について様々な気づきを与えてくれるのが、高齢者専門医で30年以上の臨床経験を持つ和田秀樹医師によるベストセラー著書「70歳が老化の分かれ道」です。

読んでみたところ、巷で信じられている医療の常識と全く違う主張が続き、目からウロコの連続でした。本書の一部をご紹介したいと思います。

(1)健康寿命のカギは70代にある

・今の70代は、過去に類を見ないくらい若々しくなった

→1980年代だと65歳~69歳の約10%は普通に歩行できなかった。

→今は2~3%に過ぎない。原因として考えられるのは、成長期の栄養状態改善(タンパク質不足の解消)。

・サザエさんの登場人物 波平・フネは50代前半の設定だが、どう見ても60代半ばに見える

→栄養状態の改善が、若返り・寿命の延びに繋がっている

→今や70代は中高年の延長で生活できる期間になった。

→その一方、70代は非常に個人差が大きくなった。活動的な70代が増えたからこそ、その過ごし方如何で80代以降の老いが大きく左右されるようになった。

→ただし医学の進歩は「若返り」を意味しない。医学の進歩により、人は「死ににくくなる」≒「老いの期間が長くなる」のである。

・結核の克服により、日本人の平均寿命は20年延びた。これから医学の進歩によりがんが克服されたら?平均寿命は更に5年以上伸びるかもしれない。

→問題は・・・、どれだけ医学が進歩しても、脳の老化を止めたり再生したりすることは多分出来ないことである。

→そして85歳を過ぎれば、脳の病理としてはみな軽重の差はあれアルツハイマーになっているのが普通である。

→これからは、「身体は健康でも脳はそうではない」というアンバランスな晩年を迎える人が増えることが予想される。

・今の日本人は、70代前半までであれば認知症や要介護者は1割に満たない。

→70代まで:最後の活動期であり「老いと戦う時期」

→80代から:「老いを受け入れる時期」と位置付けてみてはどうか。

・2060年には、日本国民の約2.5人に1人が65歳以上になる。

→人によって健康状態は大違い。80歳にもなると、認知症で会話もままならない人もいれば、仕事もバリバリ・知的な活動を続けられる人もいる。「超健康格差」が生まれる。

→健康寿命を延ばすためのポイントは2つ。「意欲の低下を避けること」「健康の習慣作りを大切にすること」

(2)老いを遅らせる70代の生活

・何事においても決して「引退」などしてはいけない

→退職して家でゴロゴロしていると、運動機能の低下と認知症のリスク高まりから、一気に老け込むことが多い。

→(創造性/他者への関心/想定外のことなどへの対処をつかさどる機能を持つ)前頭葉の老化は、早い人だと40代からすでに始まっている

→「〇歳を機に〇〇をやめる」という選択は、老いを遅らせる観点からは決して得策ではない。

・運転免許は返納してはいけない

→特に地方住まいで免許を返納してしまうと、家に籠り誰にも合わなくなりがち。運動機能も脳機能も簡単に衰えてしまう。

→これはデータで証明されていて、愛知県で65歳以上/2800人の男女を対象にした大規模調査だと、運転を続けた人・やめた人を比較すると、要介護となるリスクが2.09倍にも高まることが分かった。アクティブな生活をやめるとボケるリスクは高齢者ほど大きくなる。

・実は高齢者ドライバーは危なくない。

→高齢者による衝突事故などの報道が大きく取り上げられているが、マスコミが印象操作し過ぎ。データ上は圧倒的に若年ドライバーの事故が多い。(以下の警察庁のデータをみても、全年代の中で高齢者の交通事故件数が飛び受けて多いとは言えないことが分かります)

全交通事故における高齢者のペダルの踏み間違いによる事故は、わずか1%程度に過ぎず、高齢者から免許を取り上げることに正当性はない。

→専門家の立場からは、認知症が原因でブレーキ/アクセルを踏み間違えることはないと断言できる。

→高齢者による道路逆走・暴走は、薬の副作用による意識障害や飲酒運転などを疑うべき。

・肉を食べる習慣が「老い」を遠ざける

→70歳以上の5人に1人がタンパク質不足である。

→高齢になると脳内の神経伝達物質セロトニンが減少して、幸福感を感じにくくなり、若々しさや活動する意欲低下を招く。気分が沈んだり感情が不安定になりがち。

→改善には、肉食生活が効果的。野菜ばかりの食生活をしていると、「しょぼくれた老人」に?

・長生きしたければ、ダイエットをしてはいけない

→病気のための食事制限は別にして、70代でダイエットは厳禁!

→宮城県で5万人の高齢者を対象にした大規模調査では、やせ型の人はやや太めの人より6~8年も早く死ぬことが明らかになっている。

→統計上は、BMI25.0~29.9%くらいのぽっちゃり体系の人がいちばん長生きだと分かっていて、「長生き」の面からみれば日本のメタボ対策は完全に誤り。真面目にメタボ指導に従ってやせてしまうと、逆に寿命を縮めてしまう。

→70代になったらむしろ、栄養不足に気を付けること。食べたいものを我慢する生活は免疫低下を招きかねず、食事に過敏になる必要はない。ただし、お酒の多量摂取はアルコール依存症を招くので要注意。

・70代になったら人付き合いを見直そう

→好きな相手、話が合う仲間とだけ付き合う。何でも言いたいことを言い合える相手が理想的。

→70代になったら「もう嫌なことはなるべくしない」「嫌な相手とは付き合わない」と割り切ることが大切。「心から楽しめているかどうか」が人生の質に大きく影響する。

(3)知らないと寿命を縮める70代の医療との付き合い方

・いま飲んでいる薬を見直す

→薬の効用よりも、生活していく上での快適性を優先したほうがいい。

→副作用がある場合は我慢する必要はない。元気に生活できることを最優先すべき。

→血圧、血糖値はコントロールしすぎないほうがいい。

・健康診断より、脳ドック・心臓ドックを受ける

健康診断は、高齢者の病気の早期発見や長寿には殆ど役に立たない。

→健康診断の項目50~60のうち、病気とはっきり因果歓迎があるのは、血圧・血糖値・赤血球などの5~6項目に過ぎない。それ以外の項目は、よほどの異常値でない限り、その人の寿命と関係しているエビデンスはない。

→健康診断の結果を妄信して数値改善に取り組むと、健康になるどころかどんどん「元気のない老人」になりかねず、無意味である。

→その点、脳ドック・心臓ドックはとても有効。日本の血管内治療の技術は世界トップクラスであり、血管が狭くなっている・動脈瘤があるなどは早期発見できれば非常に有効。

→70代になったら健康診断を受けて無駄な摂生に励むより、数年に1度、脳ドック・心臓ドックを受けたほうがいい。

・70代になったら注意すべき医師の言葉

→日本の勤務医は、ほとんどが自分が担当する臓器のスペシャリストにすぎない

→循環器内科は「コレステロール値を下げなさい」と言うが、それは心筋梗塞になるから。ところが、コレステロール値が下がると免疫機能も低下するので、がんのリスクは高まる。

→人間の身体全体をみて、どうすることが身体に良くて、どうすれば身体に悪いかを言ってくれる医師はほぼいない。

→70代になったら医師の言うことを鵜吞みにしないで、自分で考える習慣を身に付けよう。

・70代の人の賢い医師の選び方

→×教科書どおりの診療しかできない医師を選ぶのはやめましょう

〇できるだけ高齢者を診てきた経験があって、患者が苦痛なく生活できることを第一に考える医師に掛かりましょう。

・70代の「がん」との付き合い方

70代になったら「がん」は手術してもしなくても大差ない。むしろ、しないほうが元気に長生きできる可能性は高いのではないか?

→中年なら早期発見・治療には意味があるが、70代だとがん手術によってむしろ体力がなくなってしまい逆効果になることもある。

→85歳を過ぎれば、ほとんどの人は身体のどこかががん細胞化している。転移しないがんなら死に至ることはないので、手術も必要ないと割り切る考え方もある。

・70代は「うつ」のリスクが高くなる

→日本人は「精神科に通うことへの抵抗感」「心の病気への偏見」が強い。

→日本人の約3%、65歳以上なら約5%がうつ病と言われている。

→日本では、アルコール/ギャンブル/ゲームなどの依存症の精神病患者を大量に産み出している企業は何の批判もされず、「意志が弱い」「人間性がだらしない」と患者の自己責任を問われがちである。

→うつ病も依存症も、れっきとした心の病気。違和感があったら、すぐに精神科に診てもらうべき。

・認知症は病気ではなく、老化現象のひとつである

→アルツハイマー型認知症と一言でいっても、症状の軽重にはとても幅があり、過剰に心配する必要は何もない。

→統計上、85歳以上の4割、90歳以上の6割は認知症である。85歳以上で、脳にアルツハイマー型認知症の変性がない人は、和田医師の経験上はいない。

→うつ病で長く苦しむより、認知症でいろいろ忘れたり周りが見えなくなってくるほうが幸せな場合もある。

(4)退職、介護、死別、うつ・・・「70代の危機」を乗り越える方法

・身内の介護を生きがいにしない

→介護者の心身を壊しかねない危険性がある

→公的サービスなど第三者の力を最大限借りるべき

・配偶者や親の死別を乗り越えて生きるには

→親の死がとても堪える場合・・・親に迷惑をかけ続けた、不義理をしたなど罪悪感があるケースが多い。

→後悔しないためには、親が元気なうちに出来るだけ親孝行をしておくといい。

→夫婦はどんなに仲良しでも、そうではなくても、どちらかが先に亡くなる。

そうなった時を想定して、相手に依存し過ぎないよう気を付けるべき。

・高齢になった時の「うつのサイン」を見逃さない

→70代前半までは、認知症よりうつ病のほうが多い。

→「最近やる気が起きない」「食欲がなくなった」「夜何回も目が覚める」「早朝に起きてしまう」「片付けがおっくうになった」「暫く見ていないうちに家がゴミだらけに」

→年のせいと片付けられがちだが、典型的なうつ病の症状である。

→認知症と診断されがちだが、認知症:ゆっくり進行する うつ病:急に発症するので、区別できる。

・うつになりやすい人の考え方、なりにくい人の考え方

→うつになりやすい人は「セロトニン不足」であることが多い

→あそこが痛い、ここが調子悪いとひっきりなしに不調を訴えるようになる。

→対策として効果的なのは、日光浴をすること、肉食を心がけること、男性ホルモンを摂取することなど。

→完璧主義の人に、うつ病発症者が多い。なるようになるさとある意味いい加減に考えることも大切。

→自分のことだけを考えて生きるのではなく、周りの人のために尽くす生き方を考えるのが、幸せへの近道である。

まとめ 常識がいつも正しいとは限らない

本書について著者の和田氏自身が、「医師としては異端の主張かもしれない」と述べています。

確かに、わたしたちが一般的に備えている常識からすれば(がんの手術は受けないほうがいい、など)、本書には非常識とも思える主張が記されています。

しかし少し考えてみれば歴史的にも、かつて常識と思われていた治療法や健康にいいと信じられていた食物などが、実はまったくそうではなかったということがあります。例えば精神疾患のロボトミー手術や、トランス脂肪酸を含むマーガリンなどですね。

本書を読むと、「最後の活動期」である70代をどう過ごすか意識的して生活すれば、要介護を遠ざけ自立した晩年を迎えられることが分かります。興味があれば、ぜひご一読お勧めします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。