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【お勧め書籍】給料低いのぜーんぶ日銀のせい

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【お勧め書籍】給料低いのぜーんぶ日銀のせい

公開日 2021年8月4日 更新日 2022年3月13日

わたしが新卒で日本ユニシス株式会社に入社した2002年ごろ、初任給はたしか約20万円ぐらいでした。

年収にすると額面でざっくり約300万円。

当時は社会人になれた誇らしい気持ちや、自分自身でお金を稼ぐことの大変さ、会社に成果で貢献できない悔しさなどの感情が入り混じり、客観的に給与について高い・安いを感じませんでしたが、少なくとも自分の給料が薄給だと嘆いたことありませんでした。

しかし2022年現在。

時代は変わり、外国人からみて『日本には高品質な商品やサービスが溢れているが、そのどれもが驚くほど安い』『日本の給与水準は低い』と広く認識されるようになってしまいました。世界的にはずっとインフレ傾向の中、日本だけがずっとデフレですから、相対的に貧しくなってしまったのです。

デフレは日本に訪れる観光客(インバウンド効果)にはプラスに働きますが、日本で働く労働者の対価という面からは大きなマイナスです。日本人は相対的に貧しくなっており、それに比例するように今後、日本で働きたい外国人も減るであろうと予測されます。

参考:日本の給料は安すぎる? 大卒1年目がスイスは902万円で日本は262万円

給料が安くても、財・サービスの値段が相応に安ければそれはそれで暮らしやすいかもしれませんが、世界的な物価の高騰はデフレの日本にも容赦なく影響を与えます。

自動車価格を一例にあげると、こちらの記事によれば小型乗用車の平均価格は2000年頃には約200万円でしたが、2021年現在は約330万円にもなっていると指摘されています。なんと1.65倍です。同じ水準で今後も物価上昇が進めば、2040年頃には小型自動車1台500万円超となっているかもしれません。

ではなぜ日本人の給料は低くなってしまったのか?本書で著者の高橋洋一さんは、それは国民の努力不足ではなく、国と日本銀行の舵取りが大きな原因と指摘しています。

今後の日本の財政・金融政策を理解するのに必要な基礎知識を身に付ける上で、本書は大変有益だと思います。おススメです。

 

概要

〇1990年から30年間で賃金が2倍以上に伸びている国が多い中で、日本はほぼゼロ成長。大きな原因は日本銀行が長きにわたり、わざわざ賃金が伸びない政策を打ち出してきたため。

〇日本経済の最大の課題がデフレ脱却にも関わらず、白川方明・前日銀総裁の時代からデフレ解消のための金融緩和に一貫して消極的で、結果的に類をみないほどにまでデフレを長期化させてしまい今に至っている。

〇金融政策として日銀が国債を買い入れることで市場に資金を供給する買いオペが、デフレ脱却へ向けた重要な金融政策である。

〇日銀の国債購入について「借金は悪いこと」「インフレになる」など批判的な声が多いが、あきらかな誤解。

〇日本の政府債務残高はGDP比で266%あり、国債依存度40%超。でも何も問題ない。

〇今の10年もの国債の利率は0.1%以下の低金利。これは日本の財政が安心だから買われていることの証左である。

〇その根拠は、日本の財政状態を政府と日本銀行を合わせた統合型のB/S(いわば連結決算)でみれば明らかで、日本に財政問題は存在しない。

〇買われている限り国債には何も問題はない。それに日銀は政府の事実上の子会社であり、中央銀行がその国の政府を破綻に追い込むことなど現実的にあり得ない。よって「国債を返せない」は有り得ない。

〇2013年に黒田総裁が就任してからの金融緩和、インフレ目標2%は正しい政策だった(消費税増税までは)。

〇金融緩和により雇用状況は劇的に改善し、自殺率などは大幅に減少した。

〇その一方で、賃金は1990年からほとんど伸びていない。名目経済が成長していないので、その成果の反映である賃金が伸びないのはある意味当然。

〇GDP伸び率ともっとも相関が高いのがマネー伸び率だが、日本のマネー伸び率は1990年以降の30年間で世界148か国中、最下位。マネー伸び率をコントロールしてこなかった日銀の無策に大きな原因がある。

〇日本の財政状況についてはIMFが国際比較してまとめていて、G7の中でもっともいいのがカナダ、日本は2番目にいい評価。「財政破綻」を理由に消費税を議論する必要はこの時点で根拠なし。

〇「社会保障のための消費増税」もウソ。年金や医療は税方式ではなく、「保険方式」で運営されるべきで制度設計がそうなっている。税金とは関係がない。消費税は一般財源であり、「社会保障目的税化」という議論自体が間違い。

〇金融緩和策とインフレターゲット2%は政策的に正しかったが、2度の消費税増税で台無しになった。