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【ふるさと納税】納税義務者の9割は未活用?

税対策
【ふるさと納税】納税義務者の9割は未活用?

公開日 2021年8月6日 更新日 2022年3月13日

日経新聞電子版 2021.8.3付の記事に、「ふるさと納税、過去最高でも「利用者」は10人に1人?」という記事が掲載されていました。

【参考記事】

記事をまとめると、以下のとおりです。

  • ふるさと納税の件数、利用額は前年比1.4~1.5倍に急伸。寄付額は6725億円と過去最高を更新。
  • 同時に発表された昨年度の住民税の控除適用者数は約552万人。
  • 一定以上の所得があって住民税を支払うべき納税義務者は日本に約5900万人もいるので、そのうちふるさと納税を行い、さらに住民税の控除手続きまで行っている人は全体の9%強、つまり10人に1人しかない

ふるさと納税とは、その名のとおり故郷やゆかりのある自治体、応援したい自治体に寄付ができる制度です。

寄付を行なうときや行なった後に所定の手続きをすると、寄付金のうち2,000円を超える部分について所得税の還付や住民税の控除が受けられます。

消費者自身でどこに寄付するか、また寄付金をどう使ってもらうかを指定でき、おまけに地域の名産品などのお礼の品も貰うことが出来る魅力的な仕組みです。

<ふるさと納税の納税者メリット>
・税金が還付(控除)される
・税金の使い道を選べる
・お礼の品がもらえる

※ふるさと納税の制度まとめはこちらの記事が詳しいです。

ふるさと納税についてはかねてより「返礼品目当ての寄付金集めはいかがなものか」「居住地域に納税されなくなることで行政サービスの低下を招く」など反対意見も根強くあると思いますが、私は基本的にふるさと納税 賛成派です。

納税者メリットだけではなく、地方行政や企業にとっても意味ある制度だと考えるからです。

2021年現在、日本の人口は約1億2300万人で、これから毎年約50万人以上の人口が減っていきます。東京だけはあと10年ほどは人口増が続くようですが、それ以外の地域は軒並み人口・税収の減少は避けられない見通しです。(こちらの書籍に詳しく論じられています)

これからの時代、人口減少のなかで行政サービスをどう維持していくかは、地方では避けてとおれない大問題となっていくと思います。そんな時代ですから、自治体も住民のために住みよい街づくりやサービス維持・向上に切磋琢磨していかなければなりません。

実態としては、地方自治体による住民の取り合いといってもいいかもしれません。

住宅メーカーなどが定期的に自治体や街の住みやすさランキングなどを発表していますが、都市部や観光資源に恵まれた自治体などは別として、この時代に過疎地域の自治体が居住者を増やして税収を上げることは、生半可な努力でなんとかなるようなものではありません。

しかし、ふるさと納税であれば居住者が増えなくても、お礼の品や仕掛け・アイデア次第で全国から寄付金を集めることが出来ますし、「ふるさと納税」の返礼品に注目が集まることで地場産業が活性化したり、新たなサービスや雇用を生み出している側面もあると思います。

100%現地の活動に充てると表明している団体への寄付もいいですが、ふるさと納税でも災害支援やどうぶつ殺処分ゼロを目指す寄付など、返礼品を伴わない純粋な寄付を選ぶことも出来ます。

ふるさと納税は、上限以内であれば納税義務者に確実にメリットをもたらす稀有な税制です。

もちろん知ったうえで使わない選択をされる方もいるでしょうが、まさか9割もの人が未活用とは思いませんでした。知らずに機会損失するにはあまりにももったいない制度です。

これからも私は、地方頑張れ!という応援の気持ちでふるさと納税を続けていきたいと思います。