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中小企業の節税対策12選!必要性や注意点も解説

税対策 法人保険選びに必要な知識
中小企業の節税対策12選!必要性や注意点も解説

公開日 2023年5月1日 更新日 2023年6月5日

中小企業の利益に対しては、法人税などの税金がかかります。納税は義務ですので免れることはできません。ただし、経費の使い方を意識することにより、節税効果が得られることがあります。

本記事では、中小企業の節税の必要性を解説します。中小企業の経営者や役員、経理や会計担当者の方はぜひ参考にしてください。

なぜ中小企業は節税すべき?

なぜ中小企業に節税対策が必要なのでしょうか。もちろん節税をしなくても利益に対して課される税金を納付すればよいのですが、合法的に税制面でとても有利になり、会社に多くのキャッシュを残せる手法があるなら使わない手はありません。

永続的な節税手法を取り入れれば法人に資金がより多く残り、企業運営を円滑に進められます。そのため、より多くの節税対策を取り入れ、会社にキャッシュが残る資金確保を意識した仕組みを作るのがおすすめです。

毎年、利益も税金も変わる

昨今は「VUCA時代」と呼ばれるほど、先行きの見えない市場環境です。記憶に新しいのは、新型コロナウイルス感染症が世界的に感染拡大を引き起こし市場にも大きな影響を与えたこと。誰も予想できず、かつ予測不能な事態に陥りました。

画像の引用元:https://www.persol-group.co.jp/service/business/article/415/

中小企業で考えるべき場面に置き換えると、市場環境によって毎年利益は変わるため、「今年は利益が高いからといって油断していたら、利益の低い年に多額の税金を納めなければならなくなった」など、キャッシュフローのリスクに対処する必要があります。

また、税制改正も行われているため、いつ法人にかかる税金が変わるか見通しが立ちにくいのが現状です。

中小企業のほうが大企業よりも、実効税率が3〜4%高い

企業の利益に対する実質税率は、

  • 大企業  29.74%
  • 中小企業 33.58%

と、中小企業が高く設定されています。

そのため、中小企業の方が節税を意識し、より資金確保の対策を強化したほうが賢明です。

中小企業が支払う税金は主に9種類

企業が納める税金には、主に次の9種類があります。

 

【中小企業が支払うべき税金】

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 法人事業税
  • 消費税
  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 固定資産税
  • 自動車重量税
  • 軽自動車税種別割

 

税金の種類

概要

法人税

法人の所得に対して課税される国税

資本金に応じて税率が異なる

法人住民税

地方自治体の住民サービスに対して必要経費を負担するための地方税。均等割と法人割に分かれる

法人事業税

すべての事業者(法人)が負担する地方税

消費税

消費活動に対して課税される国税

印紙税

経済取引の契約書や領収書などに課税される国税

登録免許税

不動産、船舶、航空機、会社、人の資格などについての登記や登録、特許、免許、許可、認可、認定、指定および技能照明について課税される国税

固定資産税

保有する土地建物、夕景償却資産である固定資産に課される地方税

自動車重量税

車検時等に納税する国税。車種(重さ)によって税額は違う

軽自動車税種別割

軽自動車保有で課される地方税

知らないと損をする中小企業の節税対策12選

中小企業の節税対策は、業種や利益によって効果的な方法は多岐にわたります。その中でも、一般的な節税方法について、次の12種類をご紹介します。

【中小企業が知っておきたい節税ポイント12】

  • 青色申告に切り替える
  • 売上計上基準を伸ばす
  • 設備・人材に投資する
  • 固定資産の使用を中止する
  • 役員報酬・賞与を見直す
  • 決算賞与を行う
  • 出張日当を渡す
  • 福利厚生を充実させる
  • 自宅を社宅にする
  • 赤字企業を買収する
  • 赤字を繰り越す
  • 売掛金を損金に算入する

1.青色申告に切り替える

申告方法を、白色申告ではなく青色申告にすることで繰越控除などの優遇が受けられ、節税につながります。

青色申告は、会計帳簿の記帳を保存が義務付けられるため、白色申告よりも帳簿付け等に時間と手間がかかります。代わりに、欠損金の繰越控除が受けられる等の税制優遇措置があるのでぜひ活用したいところです。

なお、申告方法を青色申告にする場合には事前に税務署へ申請し承認を受ける必要があります。

2.売上計上基準を見直す

物販やサービス提供を主たる業務としている中小企業では、適正な時期に売上を計上することで節税につながることがあります。具体的には売上の計上を翌期にするなどして、当年度の所得を減らすことで当該年度の節税が可能です。

ただし、一度売上計上基準を見直すと、次年度以降、毎期においてこの基準を適用しなければなりません。そのため、当期だけの節税目的で売上基準を伸ばすのはリスクが高いといえるでしょう。そのあとも恒常的に適用できる基準かどうかは、税理士など専門家へ相談の上決めることをおすすめします。

3.設備・人材に投資する

設備・人材に投資し、かつ「中小企業経営強化税制」を利用することで、即時償却や税額控除といったメリットを受けられます。

中小企業経営強化税制とは、中小企業の生産性を向上させ、稼ぐ力を向上させる取り組みの支援を目的としています。中小企業等経営強化法に基づく認定を受けた計画による投資について、特別償却(即時償却)や税額控除のいずれかの適用が可能です。

対象となる中小企業には一定の要件がありますが、大前提として青色申告を適用している法人が対象となります。

※参考記事は↓こちらです。

即時償却をわかりやすく解説 「中小企業経営強化税制」による優遇措置とは?

4.固定資産の使用を中止する

固定資産の使用を中止して、帳簿から除くことで残高を損金計上できるため、節税になります。これは「固定資産の除却処理」といい、使わなくなった固定資産の簿価を帳簿から消す作業です。

注意したいのは、固定資産の償却処理により除去の仕分けが変わる点です。まずは自社が採用している償却処理がどうなっているかを確認し、固定資産の除却処理について顧問税理士など専門家と相談しながら進めましょう。

5.役員報酬・賞与を見直す

役員報酬や賞与を見直し、損金計上することで節税効果が見込まれます。役員に対する報酬と賞与は、基本的に全額損金が可能です。そのため、企業の利益に応じた適正な範囲で役員報酬・賞与を設定することで節税効果が得られます。

ただし、役員報酬の設定に関しては、毎月同額であることや、企業の規模や利益等に対して不当に高額でないなどの条件があります。役員賞与は、株式会社では株主総会で決議されることや、税務署へ「事前確定届出給与に関する届出書」を提出するなど一定の手続きが必要です。

6.決算賞与を行う

前述の役員報酬・賞与と同じく、従業員への臨時ボーナスも損金として計上できます。同時に従業員エンゲージメントを高める効果も見込めるため、節税も含めて企業全体にとってメリットがある方法です。

この場合も、役員報酬・賞与の設定と同じで、企業の利益等から総合的に判断して金額を設定することが大切です。過分な決済賞与を支払うと、一時的に企業内の資金が減少してしまいます。経営に支障を来すことなく、適正な範囲での金額設定を心がけましょう。

7.出張日当を渡す

出張の多い企業では、出張日当を損金として計上することで節税効果があります。出張日当を支給するためには、社内で旅費規程を作成しなければなりません。

この規程どおりに役員や従業員に対して日当を支払うことで、損金算入が可能です。さらに、国内の出張日当は消費税の課税対象でもあるため、消費税の節税にもつながります。

8.福利厚生を充実させる

従業員に対する健康診断費や慶弔見舞金、社員旅行などは福利厚生費として計上することが可能です。同時に、従業員向け福利厚生を充実させることで、従業員のモチベーションアップにつながり、採用の場面でもメリットがあります。

ただし、福利厚生は従業員全員が享受できなければなりません。一部の従業員だけを対象にした福利厚生は、福利厚生費には該当せず計上できないのでご注意ください。

具体的には、社内規程を整備し、従業員全員が対象であることを明確にしておくことが大切です。また、過分な福利厚生費も計上できないことがあります。社会通念上妥当な範囲内で、福利厚生費を設定しましょう。

9.自宅を社宅にする

経営者や従業員が住んでいる自宅を、社宅として経費計上することで節税につながります。具体的には、社宅の費用を企業の損金として計上することが可能です。

会社が借りている住宅を転貸する場合には、会社が物件所有者に支払う家賃を損金算入できます。会社名義の住宅を直接役員や従業員に賃貸する場合には、その物件にかかった費用を損金算入することが可能です。

どの方法であっても、社宅を設ける場合には社内規程の策定が必要です。規程によらず自宅を社宅にすると、故意に税金逃れをしているととらえられ、当局から調査が入る恐れがありますのでご注意ください。

10.赤字企業を買収する

赤字になっている企業をM&Aで買収することでも、節税につながる場合があります。

ただし、M&Aに際しては、どの赤字企業の買収でも効果があるわけではありません。あくまでも事業の多角化やシナジー効果を発揮できる企業を選ぶ必要があります。

具体的にどの程度が自社にとってメリットとなるのかは、税理士やM&Aの専門知識を持ち合わせているプロへの相談が近道です。

11.赤字を繰り越す

法人であれば赤字を最大10年間繰り越せるため、黒字になった年と相殺することで節税につながります。

具体的には、赤字の欠損金を翌年以降に持ち越して繰越控除ができる仕組み。この繰越控除が適用できるのは、青色申告による申告をしている企業です。

そのため、法人であってまだ青色申告の申請をしていない場合には、なるべく早く税務署へ申請書を提出する必要があります。

12.売掛金を損金に計上する

回収の難しい掛金を、貸倒損失として計上する場合も節税につながります。

具体的には、「債権が切り捨てられた」「取引を一定期間停止してから弁済がない」といったケースが、売掛金の損金計上に該当します。

たとえば、取引先の急な倒産につき債権の全額回収が事実上不可能となった場合は売掛金の損金計上が認められます。

また、一定期間の督促を経ても1年以上支払いがない場合も、事実上債権回収ができないとみなされます。

このように、売掛金の回収が事実上できない場合は、税理士等の専門家と相談の上で損金計上について検討することが大切です。

税対策には法人保険もおすすめ!

法人の税対策として、法人保険への加入もおすすめです。

法人保険がおすすめである理由は、経営者や従業員を被保険者とする法人保険の保険料を、一部あるいは全部損金算入できることが挙げられます。損金算入することで、企業の利益が減るため、税対策として有効という仕組みです。

法人保険には多くの種類があり、どの保険が自社にとって最適かどうかは、企業規模や経営状態によってケースバイケースですが、税対策と福利厚生の両立など複数のテーマに対して課題解決できるのは法人保険ならではのメリットです。

まとめ

中小企業が節税について考える際には、自社にとってどのコスト負担が重いのかまず確認しなければなりません。そのうえで、活用できる節税対策から着手することが大切です。

まずできることは、自社の財務状況を確認して引き締められる点はどこなのか確認すること、それに社内規程で役員報酬や旅行規程、福利厚生費などのルールを明確にすることです。これは固定費削減の専門家や、その道に詳しい社労士が得意な領域です。

また、法人保険による対策も有効な場合があります。法人保険は商品が多岐にわたり、企業によって最適な税対策となる商品はさまざまです。

トータス・ウィンズでは、法人保険について気軽にご相談いただけます。さらにご希望であれば、経験豊富な固定費削減の専門家や社労士などの専門家と協力して包括的なサービスをご提供しています。

法人保険のみならず、法人の税対策や財務管理の悩みがある経営者の方は、ぜひ一度トータス・ウィンズへお問い合わせください。