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リーマンショックに学ぶ 金融危機で正解だった資産防衛の方法とは?

マネー
リーマンショックに学ぶ 金融危機で正解だった資産防衛の方法とは?

公開日 2022年10月23日 更新日 2022年10月29日

為替の急激な円安ドル高への動きや、あらゆるものの値上げ・資源の価格上昇。それに世界的な景気後退危機が報じられています。そのような報道を見ていると懸念されるのが、2008年頃のリーマン・ショックのような金融危機の到来です。

かつてと状況は違えども、世界的な金融パニックのなかで当時どのような対応をするのが正解だったか?これからの我々が資産防衛の方法を考えるうえで、きっと役に立つ知見があるはずです。そんなことを教えてくれる記事が、ダイヤモンドオンラインに掲載されていましたので、取り上げてみます。

記事の一部を引用すると、以下のとおりです。

『「長期・積立・分散」の資産運用は、スタートして早々に、苦しい時期にぶつかります。それを乗り越えると、リターンが安定し、落ち着いて資産運用をすることができるようになります。

しかし金融危機が発生すれば、リターンが大きく失われ、普段は冷静な投資家もパニックになります。近年のもっとも極端な事例が、リーマン・ショックでした。

多くの投資家がパニックに陥り、リーマン・ショック後に株を売って、株よりもリスクの低い債券や金、現金などに移したことがわかっています。

当時、アメリカ人である私の妻の両親も、パニックに陥りました。妻の両親は1990年代からプライベート・バンクで「長期・積立・分散」の資産運用を続けており、幾度かの金融危機を乗り越えてきました。しかし、さすがに株価が3割も下落し、悲観論に満ちたメディアに日々接していると、資産運用をやめたほうがいいのではと思うようになりました。

待ったをかけたのが、彼らが信頼し資産運用を長年任せてきたプライベート・バンカーでした。妻の両親は、次のような助言をもらったそうです。

  • 過去の金融危機でも株価は大きく下落したが、やがて回復している
  • 今回も一時的な下落であるなら、損失も一時的なものに留まる
  • 株価が大きく下がっている今売ると、一時的であるはずの損失が確定してしまう
  • 手元のお金に余裕があれば、割安で追加投資をする大きなチャンス

妻の両親は、さすがに追加投資をする勇気はなかったものの、プライベート・バンカーを信じ、資産運用をやめないことにしました。すると株価はますます下落し、やがて資産の評価額は下がり、ますます不安が募ります。

腹をくくって様子を見ていると、ご存じの通り株価は上向き、2年後にはリーマン・ショック前の水準に戻りました。リーマン・ショックから9年経つと株価は元の水準の2倍以上になりました(注)。

プライベート・バンカーは、「損をしたくない」という妻の両親の感情を上手にコントロールし、「長期・積立・分散」の資産運用を成功に導いてくれました。助言がなければ、妻の両親はパニックのあまり資産運用をやめ、20年近く続けてきた資産運用の成果をふいにしてしまったでしょう。

もちろん、助言を無視して、資産運用を中断していたとしても、その後、資産運用を永遠に再開しないということはなかったとは思います。底値で再開できるようならリターンも高くなりますが、底値で資産運用を再開できるくらいなら、そもそもパニックに陥ることもありません。

リーマン・ブラザーズの経営破綻を見て株価が約30%下がったタイミングで資産運用を中断し、その後、株価がリーマン・ショック前の水準に戻った2011年1月くらいのタイミングで再開するのが現実的ではないでしょうか。

その場合には、2017年9月末には資産はリーマン・ショック前の約1.6倍となります。これは、アドバイザーの助言に従って何もしなかった場合と比べると、約30%低い水準です。やはり、助言に従って何もしなかったのが正解だった、ということになります。

注)実際にデータを見てみると、2008年1月の株価(もっとも代表的な株価指数であるS&P500、配当込み)の水準に対し、リーマン・ブラザーズが経営破綻した翌月の10月末に株価は約30%下落しました。

さらに、09年3月には、当初の半分まで下がりました。株価は徐々に回復し、11年1月末には08年1月と同じ水準に戻ります。その後も上がったり下がったりを繰り返しながら、リーマン・ショックから9年後の17年9月末にはリーマン・ショック前の約2.2倍になりました。』

リーマン・ショック後に世界の株価はどうなった?

金融危機を脱した後、リーマン・ショック後の世界経済、株の値動きは果たしてどうなったでしょうか。

S&P500指数、全世界株式および日経平均株価の推移を見てみましょう。

特にS&P500指数の値上がりが著しいことが一目で分かります。

上記の記事では、「悲観論に満ちたマスメディアの報道に乗らずに、「長期・積立・分散」の原則を守って粛々と資産運用を続けるのが、結果的には正解だった」と結論付けています。

まさにそのとおりで、もしリーマン・ショックで半値になったところで「損切り」して、市場から退場してしまったとしたら、その後の大幅な値上がりによる資産価値の向上をまったく享受できなかったでしょう。

過去の歴史を紐解けば、人々は何度も金融危機を経験しています。そこから学べるのは、世界経済のダイナミズムをより効率的に享受できるよう、市場や投資する時期を分散して、長期の視点で投資し続けることが必要ということです。

昨年までの上げ相場で、右を向いても左を向いても「いま投資すれば儲かる」というメディアばかりの時期から比べるとピーク時から下げ相場になり、ずいぶんトーンが落ちてきています。

しかし、積み立て分散投資の有効性は従前と変わっていないどころか、これからますます重要になってくると思います。むしろこれから投資を始める方や資産防衛を検討される方にとって、下げ相場で積み立てを始めるのは時期として悪いタイミングではないと思います。

積み立てるそばから評価額が下がりいつ上昇するのかと不安になるかもしれませんが、そのぶん投資に何より必要な「じっくり相場を見る」「短期の値動きを気にせず粛々と投資し続ける」という習慣を身につけるには最適だからです。

また、長期的な投資でリターンを得るためには、相応のリスクを取らなければなりません。一例でいえば、期待リターン年+8%に対して普通に上下30%ぐらい変動するようなリスクです。

上記記事にあるように、リーマン・ショックのときには時価評価は半値になっていますし、一時期を抜けた後には元の2倍以上に上昇しています。

こう言った歴史的な事実があることを頭で理解するだけでなく、自らの体験として体感しておくことは、これから先の10年や20年、30年先といった長い人生にとって大きな意義があると思います。

資産運用を長く続けていれば、大きな下げ相場に直面することは必ずあります。その時期を早めに体験しておくことは、今後、資産運用を継続する上で貴重な経験となるでしょう。

これまでに上げ相場しか経験したことがないまま、ある程度の資産を形成された方は、いま精神的にも財務状況としても苦しいかもしれません。ですが「継続は力なり」です。特に積み立て投資の場合、複利効果は投資元本を積み上げた期間の後半から終盤に掛けて、雪だるま式に増えていく特徴があります。

その過程においては、下げ相場でも粛々と積み立て続けることを避けては通れません。資産運用の王道の積立投資を続けるうえで、投資家の誰もが通る道といってもいいでしょう。

人生の時間は有限で、投資にとって誰にでも平等な投資の条件、それは「時間をより長くかけた人のほうが有利」という事実です。先行している投資家のさまざまな経験値を参考にしながら、未来の自分を守るためにも資産運用を続けていきましょう。

当記事がご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

<参考記事>