保険アンサー

運営:株式会社トータス・ウィンズ

中小企業の保険の
悩みを解決する
メディア

HOME/ コンサルタントコラム/ 年金、退職金、保険/ 2022年更新:「相続対策」「退職金の運用」「老後資金づくり」に有効?一時払い終身保険を徹底解説

2022年更新:「相続対策」「退職金の運用」「老後資金づくり」に有効?一時払い終身保険を徹底解説

年金、退職金、保険
2022年更新:「相続対策」「退職金の運用」「老後資金づくり」に有効?一時払い終身保険を徹底解説

公開日 2022年5月19日 更新日 2022年6月10日

【一時払い終身保険】といえば、「相続対策」や「退職金の運用」など、ある程度まとまった資金対策に特化した、特殊な金融商品です。

2022年以降に確実に起こりそうな出来事として懸念されるのが、「相続税の大増税」「節税への規制強化」「国力低下危機」だと思います。

<2022年以降に予想される各種規制強化と今後の経済情勢>
  • 相続税対策の「王道」である生前贈与を使った節税が禁じられる方向性にあり、数年以内に「相続税の大増税」が予想される
  • 「タワマン節税を利用した相続税対策」において、過度な節税として「著しく不適当」とされる最高裁判決が出た(2022/4/19)
    → 節税目的の不動産投資に大ブレーキが掛かるか?
  • 「国力低下危機」 止まらない円安、拡大し続ける日米金利差、スタグフレーション危機

激変するこれからの時勢において、【一時払い終身保険の効果的な活用】ができれば、将来に向けた資産防衛に有効な手段のひとつとなることは間違いないでしょう。

この記事では、

  • 退職金や親からの遺産など、纏まった資金の具体的な運用方法を検討したい
  • 親、または自分自身の相続対策として、有効な対策を考えたい
  • 今まさに一時払い終身保険を提案されていて、その内容が妥当か検証したい

上記のいずれかに該当される方向けに、2022年の今こそ理解しておくべき一時払い終身保険の活用法を解説します。

 

 

2022年現在の一時払い終身保険のトレンドは?

日本の長期金利(10年物国債)は、長年続く金融緩和政策によって、ほとんどゼロに近い状態が続いています。

一時払い終身保険(円建)もその影響から軒並み低金利の状態で、その予定利率(保険会社が契約者に約束する収益率のこと)は歴史的な低水準になっています。

現在(2022年5月時点)の一時払い終身保険(円建)の予定利率は、だいたい0.3%未満です。この利率を適用した商品は

「支払保険料=保険金」
「解約返戻金は、ずっと元本割れ」

となるのです。

このような商品だと、相続対策(500万円×相続人の保険金非課税枠を使って節税する・特定の相続人に資産を残す)としての効果は見込めるものの、それ以上の活用メリットは何もありません。

そこで昨今は、より契約者メリットを打ち出せるよう商品開発が進み、一時払い終身保険には

  • 外貨建て(米ドル・豪ドル・ユーロ)
  • 変額オプション付き
  • 外貨&変額のミックス型

というような様々なバリエーションが生まれています。

そのバリエーションは複雑怪奇で、同じ保険会社でも販売店ごと(地方銀行ごと)に商品が違うなど、膨大な数が存在します。

保険のプロでも商品特性を完全に理解するのに1~2時間掛かるほど難解なものもあります。

そこで以下、誰でもざっくりかいつまんで分かりやすいように「一時払い終身保険を有効に活用する方法」を解説していきます

なぜ一時払い終身保険を有効活用すべきなのか?

一時払い保険に根強い人気があるのは、以下のメリットがあるからです。

一時払い終身保険のメリット

相続対策

1.法定相続人1人あたり500万円までの死亡保険金は非課税になるため、「相続税の合法的な節税」になる。

2.死亡保険金は、請求後わずか数営業日で支払われる。相続発生から10か月以内に現金で払わなければならない相続税の納税対策になる。

3.死亡保険金は遺産分割協議の対象外。受取人を指定することで確実に渡したい相続人へ、保険金を渡すことができる。

4.保険金の支払いで遺留分が精算されるようにしておけば「争族対策」にもなる。

資産運用

1.預金より高利回りの商品が多くある。

2.外貨建てのタイプにすれば、円だけで資産を持つことのリスクヘッジになる。

3.変額オプションをうまく活用できればインフレ対策になる。

4.運用成績に応じて、解約返戻金も保障額も、複利で増えていく商品が多い。

その他

1.健康状態に関係なく加入できる商品もある。

2.90歳以上の高齢でも加入できる商品もある。

3.保険金、解約返戻金ともに使途を問わない。

4.保険料を契約時に一括で払うため、以降の支払いが不要である。

 

一時払い終身保険には、

「加入時の診査が殆どないので健康状態に左右されにくい」
「銀行預金を生命保険会社(一時払い終身保険)に移すだけで、経過年数によって死亡保険金や解約返戻金が増加していく」

という普通の生命保険と大きく異なる特性あり、それが長らく支持されている大きな要因になっています。

一時払い終身保険のデメリット

メリットがある一方、デメリットもあります。

1.契約時にまとまった資金が必要で、支払うタイミングは一度だけ

一時払い終身保険は、「最低300万円以上から」というようにある程度のまとまった資金が必要です。

また契約時に一括で支払う必要がありますから、金利・為替などを踏まえたタイミング、適した商品選定が超重要です。

2.一定期間内の中途解約は、ほぼ確実に元本割れする

一時払い終身保険は通常、どんなに利率が高くても一定期間は中途解約すると元本割れになる状態が続きます。

その間、資金が実質的に固定されることになります。

3.(固定金利・円建ての場合)インフレに弱く、金利上昇の恩恵も受けにくい

契約時の金利が固定される円建てタイプに限定したデメリットです。

今のような超低金利が適用されている状態で加入してしまうと、近い将来、その実質的な資産価値が低下する可能性が非常に高いでしょう。

対策として、商品選択の段階で予定利率の高い外貨建てタイプを選ぶ・インフレに合わせて資産価値が増えていく変額オプションを組み合わせるなどが有効な手立てです。

4.複雑で理解しにくい商品が多い

前述したように、一時払い終身保険の中には保険のプロでも理解が難しいような、複雑な構造をしている商品が多くあります。

必ず自己責任で、ご自身が商品の特徴を完全に把握できるものを選びましょう。

5.「不適切な勧誘」によるトラブルが多発している

「複雑で理解しにくい商品が多い」こととも関係しますが、国民生活センターによると、「銀行窓口で勧誘された一時払い終身保険に関するトラブルの多発」が報告されています。

実はこの要因には、商品の複雑さに加えて「売り手側の事情」があるのです。一時払い終身保険は、主な販売チャネルの銀行からすると、

  • 一括払いなので手離れが良い
  • 高額商品のためまとまった手数料収入が見込める
  • 「預金より利率が良いですよ」というセールストークが使えるので、経験の浅い行員でも売りやすい

という、いろんな意味でおいしい商材でもあるのです。上記のような「売り手側の事情」には注意が必要です。

 

さて、以上のデメリット・注意点もあるとはいえ、特に「相続対策」「老後資金対策」としての一時払い終身保険は、うまく使えれば大変有効です。

ここまでは一般論としての「一時払い終身保険の特徴」をご説明してきました。

ここからは2022/5/19現在、実際に販売されている商品を元に、具体的な活用例をご紹介していきます。

一時払い終身保険の具体的な活用例3選

<仮定条件>

契約者は70歳男性。相続人は、妻と子ども3人の4名。

相続税の非課税枠:ひとり500万円×4名=2000万円の活用と老後の備えのため、預貯金2000万円を元手に一時払い終身保険を検討されているものとします。

(保険会社名、商品名は伏せますが、実在の商品を前提にしています)

(1)一時払い終身保険(円建)

まずは、円建ての一時払いタイプを見てみましょう。

(加入時 70歳)

・支払保険料:2000万円

・加入時の保険金額:2000万円

(5年後 75歳)

・保険金額:2000万円

・解約返戻金額:19,672,000円

(10年後 80歳)

・保険金額:2004万円

・解約返戻金額:19,766,000円

(20年後 90歳)

・保険金額:2008万円

・解約返戻金額:19,912,000円

(29年後 99歳)

・保険金額:2008万円

・解約返戻金額:20,008,000円

 

この例では、一括で2000万円を支払い、将来の保険金は円で受け取ります。

予定利率:0.25%の超低金利の商品ゆえ、保険金・解約返戻金ともにほとんど増えません。

中途解約を考慮せず相続対策(500万円×相続人の保険金非課税枠を使って節税する・特定の相続人に資産を残す)と割り切るのであれば、確実な方法ではあります。

しかしこの方法だと、今後懸念される物価上昇や金利上昇には一切対応できません

今の経済情勢のさなかに、あえてこのタイプを選択するかというと、個人的には疑問です。

(2)一時払い終身保険(米ドル建て・変額オプション付き)

次に、米ドル建て・変額オプション付きの一時払い終身保険をご紹介しましょう。

(加入時 70歳)

・支払保険料:154,000ドル(=1ドル130円換算で約2,000万円)

・加入時の基本保険金額:154,000ドル

<運用利回り:5%で推移したシミュレーション>
(5年後 75歳)

・保険金額:213,880ドル

・解約返戻金額:163,100ドル(106%)

(10年後 80歳)

・保険金額:230,470ドル

・解約返戻金額:191,150ドル(124%)

(20年後 90歳)

・保険金額:278,660ドル

・解約返戻金額:257,690ドル(167%)

(29年後 99歳)

・保険金額:347,470ドル

・解約返戻金額:339,670ドル(220%)

 

この例は米ドル建てで運用される一時払い保険で、一括で154,000ドルを支払い、将来の保険金は米ドルまたは日本円どちらでも受け取れます。

米ドル金利の上昇に伴い、2022/5現在の予定利率:3.52%となっていて、円建てとは比較にならない高金利となっています。

まさに2022年の日米金利差の拡大が反映されているといえますね。

この保険は、支払った保険料の1/3ほどが「特別勘定」と呼ばれる元本保証なしの資産運用に組み入れられる商品設計になっています。

運用成果次第で将来受け取れる保険金・解約返戻金が変動する仕組み(変額保険)です。

 

「積極的に資産を増やしたい」「時間がたくさんある」「保険化する必要がない」のであれば、殆ど手数料等のコストが掛からず銘柄を自分で選べるNISA、iDeCoなどの積立投資がお勧めです。

しかし、「保険化しつつ資産価値が下がるのを防ぐ」目的であれば、資産の一部を上記のような変額オプション付きの一時払い終身保険を活用するのは一考に値すると思います。

 

そして実はこのタイプは、運用が順調であれば一定期間経過後に契約の一部を部分解約して、「自宅の改修や介護資金などに使う」ということも可能です。

上記の例でいえば、シミュレーションどおり10年後に保険金額:230,470ドルとなっていた場合、230,470ドルから(初期投資額)154,000ドルを差し引くと、76,470ドルとなります。

 

この76,470ドル(差益部分)だけを解約する形を取れば、154,000ドルの死亡保険金はそのままに、数百万円の運用益を取り出すことが出来ることになります。

使途はなんにでもOKですから、老後の生活費にも介護のための資金などにも充てることが出来ます。

このような状況が作れれば理想的だと思います。まさに相続対策と老後資金対策を兼ね備えた有効活用になりますね。

 

なお、こういったシミュレーションを語るうえで留意が必要なのが【そもそも運用利回り:5%という仮定条件は果たして妥当なのか?】という点です。

参考になるのは、私たちの年金を運用しているGPIFが公開している過去20年間の運用実績で、これは年利+3.79%となっています。

GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)とは、日本の公的年金のうち、厚生年金と国民年金の積立金の管理・運用を行っている団体で、その運用資産は160兆円以上、世界最大の規模です。

その運用構成割合は、国内債券/外国債券/国内株式/外国株式それぞれ25%ずつと公表されています。運用先・構成配分をまったく同じようにすれば、中長期的には同程度の運用利回りが得られると考えられるでしょう。

そう考えると、運用利回り:5%という数値はさほど無理ない数値と考えられるのではないでしょうか。あとは自己責任・自己判断ですね。

(3)一時払い変額終身保険(米ドル建て)

最後に、目的を資産運用に振り切った一時払い変額終身保険の商品例をご紹介しましょう。

(加入時 70歳)

・支払保険料:154,000ドル(=1ドル130円換算で約2,000万円)

・加入時の基本保険金額:154,000ドル

<運用利回り:10%で推移したシミュレーション>
(5年後 75歳)

・保険金額:217,815ドル

・解約返戻金額:215,659ドル(172%)

(10年後 80歳)

・保険金額:327,065ドル

・解約返戻金額:327,065ドル(212%)

 

こちらは米ドル建で運用される一時払いの変額保険で、一括で154,000ドルを支払い、将来の保険金は米ドル受け取りのみです。

預けた保険料が100%運用に回りますので、商品の仕組みとしてはETFや投資信託に限りなく近い商品性となっています。

運用先は豊富なラインナップの中から自由に選ぶことが可能です。

MSCIインデックスやS&P500連動型インデックス、といった世界的に超メジャーな経済指標に準ずるファンドに資産を預けることも出来ます。

「これからの時代、円で資産を持つこと自体がリスクである」「保険資産も国際分散させたい」という方向けの商品と言えると思います。

まとめ 「保険で資産運用」は難しい タイミングと商品選択が超重要

今回は、《2022年更新:「相続対策」「退職金の運用」「老後資金づくり」に有効?一時払い終身保険を徹底解説》と題して、一時払い終身保険の活用について解説してきました。

個人的には、積極的な資産運用・長期積み立てをするのであれば正直、コストの割高な保険である必要は何もないと思います。

あくまで保有資産を守る方法のひとつとして、節税効果付きの一時払い外貨建て・変額保険をうまく活用すべきと考えます。

ご加入中の保険分析や、これから検討する一時払い終身保険について判断が難しいと感じられるようであれば、私たち専門家にご相談ください。

ご意向を踏まえて、様々な可能性の中からベストな方法を選ぶお手伝いをいたします。

当記事がご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

<参考記事>

https://www.t-wins.com/tokyo-hoken/column/%e9%8a%80%e8%a1%8c%e5%93%a1%e3%81%ab%e9%a8%99%e3%81%95%e3%82%8c%e3%81%aa%e3%81%84%ef%bc%81%e7%b5%b6%e5%af%be%e6%90%8d%e3%81%97%e3%81%aa%e3%81%84%e3%81%9f%e3%82%81%e3%81%ae%e3%80%8e%e4%b8%80%e6%99%82/

要注意?!変額&外貨建て保険を上手に活用するために知っておくべき3つのポイント

ウォーレン・バフェット 『S&P500に9割投資』のスゴさと落とし穴