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法人の生命保険とは?法人保険を契約するメリットや注意点などを解説!

保険解説
法人の生命保険とは?法人保険を契約するメリットや注意点などを解説!

公開日 2022年7月14日 更新日 2022年7月20日

経営リスク対策や福利厚生などに利用することができる「法人保険」。活用する企業が少なくない一方で、経営を圧迫したり、損をしたりする原因となることをご存知でしょうか?

また近年の税制改正によって、法人保険の税務上の取り扱いが以前とは大きく変わりました。決算対策などで法人保険への加入を検討している方にとっては、注意が必要になっています。

今回は、法人保険に加入する目的や種類、メリット・デメリット、加入の際の注意点について、あらためて解説します。

経営者が加入する生命保険の「法人保険」とは

法人保険は、企業の役員や代表が契約者となる生命保険の総称です。法人向けの保険はもちろん、法人を契約者として加入した個人向け保険も、法人保険に該当します。

保険料は契約者である法人の負担となり、一般的に、保険金・給付金の受取人が法人になることも多いです。

法人向け保険に加入する目的はさまざまで、企業経営におけるリスク対策以外にも多くの活用方法があり、そのメリットを享受することができます。

一方、法人保険の加入にはデメリットもあるため、加入前にその内容をしっかり理解しておきましょう。

法人保険に加入するメリット

法人保険の加入には、以下4つのメリットがあります。

  • 事業リスクに備えることができる

法人保険に加入することで、ケガ、病気、事故、契約解除など、万が一の際に保障を受け、事業存続の資金とすることができます。創業時に充分な資金を準備することが難しくても、事業リスクに備えることができる点は大きなメリットです。

  • 役員や従業員の福利厚生になる

役員や従業員が入院した場合、法人保険に加入していれば見舞金を受け取ることができます。また、保険解約時に保険料が一定の割合で返還される「解約返戻金」を利用して、役員や従業員の退職金に充てるなど、福利厚生の充実を図ることも可能です。

  • 契約者貸付制度の利用ができる

法人保険に加入すれば、資金調達の手段として「契約者貸付制度」が利用できます。契約者貸付制度では、これまでに払った保険料から見込まれる、解約返戻金の7〜9割の金額の融資を受けることが可能​​です。 保険解約の必要がなく、厳しい審査なしに融資が受けられる点は大きなメリットです。

  • 事業継承の負担が軽減できる

事業継承に際しては、会社の資産価値に応じた相続税や贈与税が発生します。それらの納税に法人保険の解約返戻金を充てることで、事業継承の負担を軽減できます。また、会社が支払った掛け金は損金に算入できるため、会社の株式の資産価値を下げ、納税費用を抑えることが期待できます。

法人保険に加入するデメリット

一方で法人保険の加入には、以下3つのデメリットがあります。

  • キャッシュフロー悪化の原因になる可能性がある

法人保険に加入すると、保険料の継続的な支払いが発生します。保険料負担の大きい高額な保険、期間の長い保険に加入する場合は、キャッシュフロー悪化の原因となる可能性があるため注意しましょう。

リスクに備える保険そのものがリスクになる恐れもあるため、将来の事業計画も考慮しつつ、保険を選択する必要があります。

  • 保険金・解約返戻金に課税される

保険金や解約返戻金が支払われた場合、法人税の対象となり課税されます。例えば、事業の大きな支出と解約返戻金が支払われる年度を合わせるなど、事前にしっかりと計画を立てることが必要です。

  • 解約の時期によっては損をすることがある

法人保険の解約返戻率は、一定の期間を経てピークとなり、その後下がります。ピークのタイミングは保険商品ごとに異なりますが、 タイミングを逃した解約では、解約返戻金が減ってしまうので注意が必要です。

法人保険の種類

法人が契約することのできる保険には、以下のように、さまざまな種類が存在します。

  • 定期保険
  • 養老保険
  • 終身保険
  • 損害保険
  • 第三分野保険(ガン保険・傷病保険など)

法人保険の種類を理解し、加入目的や補償内容、保険料などを総合的に判断した上で、加入を検討するようにしてください。

定期保険

定期保険は、被保険者が保険期間中に死亡した場合に保険金が受け取れる保険です。被保険者の死亡に備えることができるほか、解約返戻金による資金準備にも利用できます。

法人向けの定期保険の中には、保険期間が個人向けよりも長めで、そのぶん高い解約返戻率が設定されている商品もあります。

具体的には、90歳以上の長期保険期間の設定が可能な「長期平準的保険」、保険期間は短いものの契約年数が経つほど死亡保険金が増える「逓増定期保険」は、法人向けの定期保険として選ばれるケースが多いです。

養老保険

養老保険は「生死混合保険」とも呼ばれ、被保険者が保険期間中に死亡した場合のみならず、生存していた場合も同額の保険金が受け取れます。

死亡、もしくは満期までの生存の両方で保険金が発生するため、保障の厚さが特徴的です。

また、生存退職金と弔慰金(死亡退職金)を一本化できる点もメリットとなります。

さらに一定の条件を満たせば、福利厚生費として保険料の処理ができますが、この場合は従業員全員の加入が基本となるため、企業側の負担が大きくなる可能性があります。

養老保険の保険料は比較的高額ですが、保険料の半分を損金(経費)に計上することが可能です。

終身保険

終身保険は、被保険者の死亡時まで保障が継続する保険です。被保険者の死亡時には必ず保険金が受け取れるため、事業継承を目的とした資産貯蓄に活用する方法もあります。

なお、終身保険の保険料は、法人が受取人の場合は資産に、遺族が受取人の場合は損金(給与)として計上されます。

つまり、法人が受取人の場合には、保険料全額が資産計上となるため、税金対策の効果はありません。

損害保険

損害保険は、企業側が損害を被った、あるいは顧客に損害を与えた場合に保障を受けられる保険です。

例えば、火災などの偶発的な事故で事業財産が損害を受けた場合に保証が受けられる「火災保険」、 顧客に損害を負わせた場合の「対人・対物保険」「賠償責任保険」ほか、不測の事態でイベントが中止された場合の損害補償が受けられる保険なども存在します。

損害保険は、資産に該当する満期返戻金といった保険積立金の設定があれば、その部分は資産となり、残りを損金として計上します。

第三分野保険(ガン保険・傷病保険など)

第三分野保険は、第一分野保険(生命保険)、第二分野保険(損害保険)のどちらにも属さない保険です。具体的には、がん保険、傷病保険ほか、医療保険、介護保険などが該当します。

第三分野保険に加入することで、ケガや病気で生じた治療・入院の費用に対して、一定範囲の補償を受けることが可能です。

養老保険と同様に、福利厚生費にする活用も可能ですが、やはり従業員全員の加入が原則となり、企業側の負担増となる可能性があります。

法人保険に加入するときの注意点

多くの種類が存在し、事業リスク対策や福利厚生の充実に活用できる法人保険。しかし、以下3点に注意しないと、法人保険加入の恩恵を充分に受けられない可能性があるため、法人保険に加入する前にしっかりとチェックしておきましょう。

  • 節税を目的にして加入しない
  • 返戻金の使途を加入前に決めておく
  • 福利厚生規定や退職金規定を作成しておく

節税を目的にして加入しない

これまで、法人保険は節税対策の手段として活用されるケースも少なくありませんでした。支払保険料を損金(経費)とすることで法人税を減少させる一方で、契約から10~15年ぐらい経過した後には支払保険料を上回る解約返戻金を受け取ることも可能であったからです。

しかし、2019年の税制改正(法人税基本通達)により、(経費)に計上できる割合が減ったため、 以前のような税金対策効果を得ることは難しくなりました。

現在では、節税を主目的に法人保険に加入することは禁止されています。

解約返戻金の使途を加入前に決めておく

解約返戻金は、使途を経営者が自由に決定することができる資金です。

しかし解約返戻金は会計上、益金となり、法人税が発生します。解約返戻金を受け取った事業年度に、解約返戻金を使わない場合、税負担が増加する可能性があります。

そこで「設備投資に充てる」など、解約返戻金の使途を加入前に決めておくことが大切です。

支出のタイミングに合わせて解約返戻金を受け取ることで、収支のバランスをとりつつ、不要な税負担の増大を回避することができます。

福利厚生規定や退職金規定を作成しておく

会社が受け取った保険金をどのように取り扱うかについては、事前に規定を作成しておくことが望ましいです。規定を定めておけば、税務調査が実施された際、適切な支払いであった根拠として示すことができます。

例えば、福利厚生規定がない状態で、従業員の福利厚生目的で法人保険に加入しても、保険料の損金算入が認められない可能性が考えられます。

同様に、退職金規定がない状態で退職金が支払われた場合、損益計上による脱税を指摘される可能性も考えられるためご注意ください。

税制改正による法人保険の経理処理の注意点

2019年、法人保険の経理処理に関する税制改正があり、2019年7月8日以降に新規契約した法人保険に対して、新しいルールが適用されることとなりました。

そのルールとは、定期生命保険と第3分野の保険の短期払いを対象とした「損金算入額の規制」です。

具体的には「返戻率50%超の保険については、保険料全額を損金計上することはできない」という内容で、 返戻率100%近くても損金計上できた従来と比較して、法人保険の節税効果は減少したと言えるでしょう。

<「節税保険をこれからどうすべきか?」については、詳しくは以下の記事をご参照ください>

法人保険のご相談はトータス・ウィンズへ!

税制改正によって法人保険の経理処理が大きく変わった今こそ、法人保険のメリットを最大限に引き出すためのプランニングの重要性が増しています。

実際に、保険料による企業負担にも大きな違いが出るため、法人保険のプランニングや比較検討は大切です。

私たちトータス・ウィンズは一般的な保険代理店とは異なり、10社以上の幅広い生保会社の商品データからのエビデンスを元に、お客様にとって本当に最適な法人保険をご提案することができます。

以下、実例として、内科クリニック経営者(年商5億円、60代男性)のケースをご紹介します。

トータス・ウィンズの法人保険のご提案例

【課題】

当初、法人保険の加入は一社のみ。さまざまなリスクへの備えはもちろん、退職金準備、老後・介護保障、相続・法人利益対策まで、複数のテーマに幅広く法人保険を活用したいものの、地元の保険代理店からは偏ったプラン・特定の保険会社ばかり提示されました。

【トータス・ウィンズのご提案】

詳細ヒアリングをもとに、保険会社プランを複数ご提案。

在職時の保障は「掛け捨てタイプ」とし、将来まで保障を希望するテーマについては「終身プラン」をメインに、退職後に個人契約への切り替えが可能なプランを選択しました。

【成果】

各テーマに合わせて適切なプランを選択することで、ご満足いただける保険選択ができ、バランスの良い法人保険の活用が実現しました。

事例詳細はこちら

まとめ

法人保険はうまく使えば、リスク対策や事業継承、福利厚生の充実など、多くの効果が期待できます。

しかし税制改正を経た現在、法人保険は「なんとなく入っておけば節税になるもの」ではなく、より「商品を比較検討した上で、自社に最適な出口戦略をよく考えて選ばなければならないもの」となっています。

法人保険選びや出口戦略の立案には、実績とノウハウを持つ保険のプロの手を借りることが得策です。

企業としてしっかりと責任を果たすために、そして企業のさらなる発展のために、ベストな生命保険選びとプランニングをぜひ実現してください。

当記事がご参考になれば幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。