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【東京 税対策 最新ニュース】富裕層が「一生分のお金」を持っていても稼ぎ続けるワケ【元国税専門官が解説】

税対策

ニュース概要

 
『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者で、元国税専門官のマネーライター小林義崇氏は、約10年にわたる国税専門官の経験をとおして「多額の遺産をもらう人に対してうらやむ気持ちがなくなった」といいます。いったいなぜなのでしょうか。小林氏が相続税調査の現場で目にしてきた“富裕層の実態”をみていきます。

富裕層はいいものを買って“長く使う”

総務省の家計調査の結果をひもといていきましょう。[図表]では、2005年と2018年の数値が並んでいるので、過去と比べて富裕層のお金の使い方が変化していることを見てとれます。

出典:総務省「家計調査」

[図表]「家計調査」(総務省)の2005年と2018年の比較出典:総務省「家計調査」

2005年に行われた調査では、第Ⅴ階級の「家具・家事用品」は3.9%、「被服及び履物」は7.4%だったのが、2018年の調査ではそれぞれ3.1%、5.1%と明らかな減少を見せています。

これは私の印象に過ぎませんが、富裕層はブランド品などをむやみに買うわけではなく、いいものを買って長く使う傾向があります。相続税調査のときに亡くなった被相続人の趣味を尋ねたところ、「革靴の手入れ」といわれることが何度かありました。

実は、私もそうした富裕層から刺激を受けて、税務職員時代に5万円以上する革のブリーフケースを買ったことがあります。当時の月給は手取りで30万円ほどでしたから、私にとってはかなり大きな買い物でした。

あれから10年以上経ちますが、そのブリーフケースは今も使い続けています。ときどき保革クリームで手入れをしていることもあり、いい具合にエージングして、買ったときよりもむしろ高級感があるくらいです。

少々高額でも品質がいいものを買うと、「大事に使おう」という意識が芽生えることも実感しました。

安物を頻繁に買い換えるのではなく、品質がいいものを買って、手入れしながら長年使い続ける。これは私が富裕層から学びとったことのなかでも、とくによかったと思っている価値観です。

億万長者なのに「自由に使えるお金」が少ない?

 

あるとき、相続税調査の経験を重ねるにつれて、だんだんと富裕層に対する憧れが薄れていく自分に気づきました。なぜなら、富裕層の生活ぶりが普通の人とたいして変わらず、富裕層には富裕層ならではの悩みがあることもわかったからです。

金銭的な面に限っても、富裕層だからといって好き勝手にお金を使えるのはごく一部に限られます。

実は、日本の富裕層には、そもそも自由に使えるお金が少ないため、質素な生活を送っている人が少なくありません。億万長者なのにお金に不自由というと矛盾を感じると思いますが、これは確かなことなのです。

なぜそのようなことが起きるのか? それは、日本の富裕層の多くは、預金や株式などの金融資産より、土地などの不動産を多くもつ資産家だからです。

なかには、億単位の資産規模の大半が土地で、現預金は数百万円程度といったケースもありました。不動産は紛れもなく資産ですから、1億円の金融資産をもっている人も、時価1億円の不動産をもっている人も、同じく億万長者です。

しかし、金融資産と違って、不動産はお金を生み出してくれるとは限りません。たとえ不動産を所有していても、有効活用しなければ現金は得られず、むしろ固定資産税や修繕費などの支出がともなうので、家計が圧迫されるおそれさえあります。

所有する土地にアパートなどの賃貸物件を建てて現金収入を得ようにも、立地によっては入居者が見込めず、空き地として放置せざるを得ないケースも少なくありません。しかも、そうした利用価値のない土地も含め、将来的には相続税の対象になるわけですから、納税のための現預金も残しておかなければいけません。

このように考えると、見た目上は億万長者であっても、お金の制約があり、気兼ねなくお金を使えるというわけではないのです。

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