ダイヤモンド決算報・夏#損害保険Photo:PIXTA

コロナ禍だけでなく、円安や資材高の影響も相まって、多くの業界や企業のビジネスは混乱状態にある。その状況下でも、苦境を打破できた企業とそうでない企業との間で勝敗が分かれている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回は東京海上ホールディングス、SOMPOホールディングス、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの「損害保険」業界3社について解説する。(ダイヤモンド編集部 宝金奏恵)

東京海上、SOMPOが2桁増収
MS&ADが差をつけられたワケ 

企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下の損害保険業界の3社。対象期間は2022年2~6月の四半期(3社はいずれも22年4~6月期)としている。

各社の増収率は以下の通りだった。

・東京海上ホールディングス
増収率:11.9%(四半期の経常収益1兆6287億円)
・SOMPOホールディングス
増収率:19.0%(四半期の経常収益1兆2866億円)
・MS&ADインシュアランスグループホールディングス
増収率:1.3%(四半期の経常収益1兆3147億円)

損害保険業界の主要3社はいずれも前年同期比で増収しているが、中でも東京海上ホールディングスとSOMPOホールディングスは2桁増収で好調が続いている。ただ、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは1.3%と低調だった。

このような「格差」が生まれたのはなぜか。

次ページでは、各社の増収率の推移を紹介するとともに、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの業績が低調な理由について解説する。

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