【東京経済最新ニュース】コストコ時給1500円の衝撃、群馬の経営者からは嘆き　世界でも低い日本の賃金

2023.08.03

ニュース概要

豊島晋作キャスターが独自の視点で日本や世界のニュースを解説するコーナー「NEWSアングル」。

今回のテーマは「最低賃金」です。日本の全国平均の最低賃金は現在961円ですが、世界に目を転じてみますと日本と世界の格差は歴然としています。

オーストラリアは日本円で2000円を超えています。ヨーロッパを見ても、ドイツは1868円、フランスは1754円と日本の2倍ほどあります。

お隣の韓国も1058円と日本より高いんです。アメリカは国としては1022円ですが、場所ごとに最低賃金を決めているところもあって、2000円を超える都市、場所もあります。

日本と世界とのこうした格差が、今、日本の地方の雇用である問題を生んでいます。

その現場となっているのが、群馬県です。今年4月にオープンした「コストコ群馬明和倉庫店」。オープン日には雨にも関わらず、大行列ができるなど注目されました。

そして、もう一つ注目されたのが、アルバイトの時給です。その額なんと最低でも1500円。なぜここまで高額なのでしょうか。

コストコホールセールジャパンでは時給について「グローバルスタンダードを採用し、本社のあるアメリカの基準に合わせている」と説明しています。

この時給を群馬の人たちはどう感じているのでしょう。

「近かったら行きます。1500円はでかい」（時給950円で働く人）

「（若い人は）みんな行くと思う」（時給1000円で働く人）

「実はコストコに応募した。応募したけどダメだった。（競争倍率が）すごかった」（時給約1000円で働く人）

群馬県の最低賃金は895円。周辺の求人募集を見ても、1000円に届いていません。

時給1500円は難しいと話す大杉運輸倉庫の大杉康弘社長

報酬の格差の影響は群馬の中小企業にも及んでいます。大杉運輸倉庫は海外で生産している自動車部品を主に扱っている物流倉庫。

アルバイトの時給は900円からです。

「時給1500円を払えますか？」（豊島キャスター）

「逆にそんなの私が働きたい。私がもらいたいなというくらい。コストコは隣町なので、いつも隣町から（働きに）きていた人もいたが、隣町の人の応募が本当になくなった」（大杉運輸倉庫の大杉康弘社長）

「地元企業としては1500円は勘弁してくれという思いは？」（豊島キャスター）

「働いている人たちには申し訳ないが、一言でいえば本当にその通り。白旗です」（大杉社長）

地元企業がコストコに対抗して賃金を上げることは、大杉社長によりますと逆立ちしても不可能で、そんなことをすればコスト高となり、取引先を失ってしまうと言います。

世界展開するグローバル企業との賃金格差によって、日本企業が人材を集めにくいという状況がしばらく続きそうです。

日本も最低賃金1000円達成を目指す政府の方針で増加傾向にありますが、伸び率を見てみますと、日本以上に各国の最低賃金の上昇率が高いので、むしろ差は開く一方です。

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コストコ時給1500円の衝撃、群馬の経営者からは嘆き　世界でも低い日本の賃金【WBS...
~~https://news.yahoo.co.jp/articles/36fd63c6efa884e77a78fc1c07bfdbeb3d8db589?page=2~~
一方で今、単に賃金を上げるだけでは解決できないような新しい課題も出てきています。アメリカ・ニューヨークで街中を走り回るフードデリバリー。実は彼らは注文ごとに報酬が発生する歩合制です。注文が少ない